報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅳ編 パーソナルモビリティの先進的な活用事例に関する調査 1365-2 茨城県つくば市の事例 つくば市は、2010年1月に「搭乗型移動支援ロボットの公道(歩道)走行社会フィールド実証試験特区」(いわゆるロボット特区)の指定を受けた。早ければ2010年夏にも走行実験が始まる見通しであるとの報道15)がなされていたが、2011年3月25日に「つくばモビリティロボット実験特区」が認定され、2011年5月初旬にも特区エリアで走行実験が始まる見込みであると報道16)されている。 (1)「つくばモビリティロボット実験特区」認定までの動き ここでは、つくばモビリティロボット実験特区の認定に至るまでの動きを、首相官邸のホームページ内にある構造改革特区推進本部の情報をもとに、時系列的に整理する。 ここには、特区認定に至るまでの検討要請やそれに対する現状の制度、および、検討が必要な内容、特区が認定されてから実験実施に必要となる基準の緩和措置や条件等が含まれている。こうした情報を整理しておくことは、今後のPMV導入に向けた検討をすすめるに当たって、貴重な情報になると考えられることから、提案主体からの検討要請とそれ対する各府省庁からの回答の内容を細かく整理する。 なお、つくば市において実証実験に使用される乗り物は、「搭乗型移動支援ロボット」と称されている。これは、本研究で想定しているPMVと同様か、あるいは部分的に同様の乗り物を差すと考えられる。そのため、ここではつくば市における「搭乗型移動支援ロボット」についてもPMVとして検討を行う。 つくばモビリティロボット実験特区の認定に至るまでの大まかな流れを整理すると以下のとおりとなる。 2009年10月13日:構造改革特区(第16次)提案募集(同年11月12日まで) 2009年12月7日:構造改革特区に関する検討要請の実施 2009年12月16日:構造改革特区に関する検討要請に対する各府省庁からの回答 2009年12月25日:構造改革特区に関する再検討要請の実施 2010年1月13日:構造改革特区に関する再検討要請に対する各府省庁からの回答につ いて 2010年1月29日:「明日の安心と成長のための緊急経済対策」における構造改革特区に 係る過去の未実現提案等についての政府の対応方針 2011年1月21日:構造改革特別区域基本方針の一部変更 閣議決定 2011年3月25日:構造改革特別区域計画の第25回認定

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