報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅳ編 パーソナルモビリティの先進的な活用事例に関する調査 128第4章 警備目的等での活用事例 4-1 中部国際空港 セントレア (1)施設の概要7)8)9) 中部国際空港 セントレアは、愛知県常滑市沖の伊勢湾の海上にある長さ3,500mの滑走路を1本持つ24時間空港である。 空港敷地の面積は約470ヘクタールであり、滑走路、旅客ターミナルビル、アクセスプラザ、ホテル等が存在する。旅客ターミナルビルには、出発・到着ロビーの他、延長約300mのスカイデッキという展望施設等が存在する。スカイデッキを警備する際の移動手段のひとつとして、セグウェイを用いた警備が実施されている。 現地調査やヒアリング調査では、スカイデッキにおける警備の様子や管理者の意見等を調査した。 (2)ヒアリング結果 ヒアリング調査の概要は、表Ⅳ-4-1のとおりである。 表Ⅳ-4-1 中部国際空港 セントレア調査概要 日時 2011年1月27日 場所 中部国際空港 セントレア(愛知県常滑市) 出席者 中部国際空港(株) 空港運用本部 空港運用部 保安・防災グループ 田中氏 (株)全日警 中部空港支社 中部国際空港第一警備所 防災センター 所長 近藤氏 (公財)豊田都市交通研究所 研究部 主任研究員 河合 主任研究員 西堀 ヒアリング調査の結果、以下のことが把握できた。なお、結果の詳細は次ページ表Ⅳ-4-2に整理する。 2008年10月の導入以来、現在までトラブル等は発生しておらず、今後もセグウェイを用いた警備を継続予定である。訓練を施した乗員が、マニュアルに沿って乗務している状況においては、不特定多数の人が出入りするスカイデッキ上においても安全に運行することができると考えられる。 また、初期投資やメンテナンスについては、セグウェイに関してはメンテナンスにタイヤやバッテリの交換が必要なことを除けば既存の施設で対応可能である。そのため、導入にあたっての初期投資は車両導入費用のみで済むと考えられる。 空港管理上、あるいは、警備実施上、多くのメリット(歩行速度よりも速く移動可能、目線位置が高くなり視野が広がる、周りからは目立つ存在となり犯罪を抑止する効果、常駐警備員の削減)があり、導入効果は大きいと言える。 空港利用者からの苦情はないことから、不特定多数が利用する空間においてセグウェイ等のPMVが走行していても、受け入れられる可能性が考えられる。しかし、空港という多くの人にとっては普段の生活には馴染みの浅い非日常的な環境であることも考慮する必要がある。
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