報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅳ編 パーソナルモビリティの先進的な活用事例に関する調査 1223-2 ハウステンボス (1)施設の概要4) ハウステンボスは、長崎県佐世保市にある古き良き時代のヨーロッパの街並みを再現したテーマパークである。 152万平米の広大な敷地を持ち、広い場内を散策する手段のひとつとして、セグウェイを用いたガイドツアー「セグウェイツアー」が実施されている。ガイドツアーの所要時間は約50分であり、場内を周遊するコースをセグウェイに乗って散策する。 現地調査やヒアリング調査では、ガイドツアーの様子や管理者の意見等を調査した。 (2)ヒアリング結果 ヒアリング調査の概要は、表Ⅳ-3-3のとおりである。 表Ⅳ-3-3 ハウステンボス調査概要 日時 2010年9月30日 場所 ハウステンボス(長崎県佐世保市) 出席者 ハウステンボス(株) アクティビティセンター 主任 岩橋氏 パーク事業部 アクティビティ部 部長 武藤氏 (公財)豊田都市交通研究所 研究部 研究部長 安藤 主任研究員 西堀 ヒアリング調査の結果、以下のことが把握できた。なお、結果の詳細は次ページ表Ⅳ-3-4に整理する。 参加者の9割は簡単に乗ることができ、乗りこなす人とそうでない人は性年齢にかかわらない。 MEGA WEBと違ってここでは15分間の事前指導を行っているが、短時間であり、セグウェイ(PMV)の操作は容易に習得できる場合が多いものであると考えられる。 15分間の事前指導の中で、一人ひとりの運転技能や性格を判断し、乗りこなせない人や、無茶な運転をしそうな人がいれば、インストラクターの判断で速度制限(10km/h)を解除しないこととし、安全を確保している。 園内には、バス、自転車、4人のり自転車、馬車など、様々な乗り物が走っているだけでなく、歩行者も数多く存在する中で、安全にガイドツアーを実施ことが最も重要であると考えられる。上記の方法は、テーマパーク内ということで道路交通法という法的な規制がない環境の中で、安全を確保するための有効な手段と考えられる。 一人ひとりの状況を踏まえた制限解除や、その他園内の走行環境、ならびに、参加者の能力に応じたルート設定等、ガイドツアーのインストラクターには的確で臨機応変な状況判断が必要とされる。

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