報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅲ編 パーソナルモビリティに対する市民の意識に関する調査 第6章 立ち乗り型PMVの受容性に関する研究 1066-5 立ち乗り型PMVの受容性に関わる意識構造分析 (1)意識構造モデルの構築 本節には、立ち乗り型PMVの受容性における意識構造分析を共分散構造分析により行う。構築された意識構造モデルのパス図を図Ⅲ-6-2に示す。なお、観測変数には、アンケート調査票の項目のうち表-2に示す項目を用いる。 構築されたモデルの構造部分では、潜在的変数の立ち乗り型PMV車体に対する態度(以下は「車体」と称する)が潜在的変数の建物内においての立ち乗り型PMVの利用に対する態度(以下は「建物内利用態度」と称する)及び街中においての立ち乗り型PMVの利用に対する態度(以下は「街中利用態度」と称する)に影響し、そしてさらに「建物内利用態度」が「街中利用態度」に影響していると仮定する。 構築されたモデルの測定部分を見ると、まず、「車体」サブモデルでは、4分割された信念、デザイン、サイズ、1人乗りであること及び環境技術の得点は、元になる単一の潜在的変数で、「車体」によって決まると仮定される。次に、「建物内利用態度」サブモデルでは、3分割された信念、建物内における安全性、便利性及び調和感の得点は、元になる単一の潜在的変数で、「建物内利用態度」によって決まると仮定される。そして、「街中利用態度」サブモデルでは、3分割された信念、街中における安全性、便利性及び調和感の得点は、元になる単一の潜在的変数で、「街中利用態度」によって決まると仮定される。 また、測定部分における誤差変数1-4は、それぞれデザイン、サイズ、1人乗りであること及び環境技術の測定誤差を表すと同時に、「車体」の他に四つの検定の得点に影響する可能性があるすべての変数を表す。誤差変数5-7は、それぞれ建物内における安全性、便利性及び調和感の測定誤差を表すと同時に、「建物内利用態度」の他に三つの検定の得点に影響する可能性があるすべての変数を表す。誤差変数8-10は、それぞれ街中における安全性、便利性及び調和感の測定誤差を表すと同時に、「街中利用態度」の他に三つの検定の得点に影響する可能性があるすべての変数を表す。 誤差変数5は、「建物内利用態度」の変化に起因しない建物内における安全性の変動を表す。同様に誤差変数8は、「街中利用態度」の変化に起因しない街中における安全性の変動を表す。これらの安全性は、同じ計測による(異なる利用範囲の)尺度の得点である。安全性尺度によって受容性以外の測定を行う場合、誤差変数5と誤差変数8の間にゼロ以外の相関を仮定する。このような理論的な根拠は、誤差変数6と誤差変数9、誤差変数7と誤差変数10にも適用される。なお、車体のサイズがそのデザインの一部でもあると考えられるため、誤差変数1と誤差変数2の間にゼロ以外の相関を仮定する。 Attitudeon Vehicle.36Designe1.60.38Sizee2.62.28TOPe3.53.46Environ.e4.68.23Attitudein Building.51Safe(B)e5.71.64Useful(B)e6.80.57Harm.(B)e7.75.75Attitudeon Road.29Safe(R)e8.52Useful(R)e9.48Harm.(R)e10.54.72.69.48.48.52resid1resid2.48.56.25.35 Figure Ⅲ-6-2 Estimated Parameters of Structural Equation Model. Sample size=124 Chi-square=32.31 DF = 28 P-value = 0.26 TLI=0.98 RMSEA=0.04

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