報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅲ編 パーソナルモビリティに対する市民の意識に関する調査 第5章 見学者アンケート結果を用いたPMVの評価への影響要因分析 97 ②PMVに対する評価に影響する要因の分析結果 数量化理論Ⅰ類の分析結果を表-5、表-6に示す。 まず、立ち乗り型の結果(表Ⅲ-5-3)について考察を行う。レンジに着目すると、「車体のサイズ」や「車体の一人乗りであること」が大きい値となっている。これは極端にサンプルが少ないカテゴリが存在していることが影響していると考えられるが、サンプルの少ないカテゴリ数量を無視したレンジをみると、「車体のサイズ」は約1.1、「車体の一人乗りであること」は約1.9であり、立ち乗り型の評価に大きく影響していると考えられる。 その他の説明変数をみると、「建物内の利便性」「まちなかの利便性」「運転操作」のレンジが大きく、立ち乗り型の評価に大きく影響を及ぼしていることが考えられる。このうち、「まちなかの利便性」のカテゴリ別のカテゴリ数量に着目すると、「普通」の値が最も小さい。他の説明変数でも同様の傾向が認められるものが存在している。このことから、「普通」、すなわち、肯定でも否定でもどちらでもないという回答は、PMVの評価の観点からは、肯定と否定の間の評価というよりもむしろPMVに興味がないために低い評価となっている可能性が考えられる。 一方、性別や年齢については、評価に影響を及ぼしているものと想定されたが、それらのレンジは他の説明変数と比較して小さく、立ち乗り型の評価への影響は小さいと考えられる。 表Ⅲ-5-3 立ち乗り型の評価に影響する要因についての数量化理論Ⅰ類の分析結果 説明変数カテゴリ(サンプル数)カテゴリ数量レンジ偏相関係数性別男性(29)0.1050.2430.102女性(22)-0.138年齢60歳未満(41)0.0150.0750.02260歳以上(10)-0.060認知度知っている(36)0.1040.3550.134知らない(15)-0.250運転操作運転可(26)0.625わからない(18)-0.4931.6770.439運転不可(7)-1.052まちなか危険側(28)-0.117(安全性)普通(10)0.4300.5470.170安全側(13)-0.079まちなか不便側(5)0.180(利便性)普通(15)-1.0071.4650.469便利側(31)0.458まちなか違和感(23)0.148(調和性)普通(10)-0.2530.4010.121調和感(18)-0.048建物内危険側(19)0.373(安全性)普通(11)-0.4670.8400.221安全側(21)-0.093建物内不便側(7)-1.930(利便性)普通(6)-0.6232.3840.503便利側(38)0.454建物内違和感(12)0.093(調和性)普通(9)-0.7060.8810.272調和感(30)0.175車体悪い(2)-3.246(サイズ)普通(7)-0.8143.5360.436良い(42)0.290車体悪い(1)0.831(一人乗り普通(9)-1.5672.3980.483であること)良い(41)0.324 サンプル数:51、定数項:-0.099、重相関係数:0.8846

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