報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅲ編 パーソナルモビリティに対する市民の意識に関する調査 第5章 見学者アンケート結果を用いたPMVの評価への影響要因分析 965-5 PMVへの評価に影響する要因の分析 (1)PMVに対する評価の分析結果 表Ⅲ-5-1に示した質問に対する回答結果(-2~+2までの1点刻み5段階評価)を用いて主成分分析を行い、立ち乗り型、座乗型のそれぞれの評価構造を分析する。なお、ここでの分析対象は、表Ⅲ-5-1の質問に対する回答が不完全なサンプルを除外したものであり、立ち乗り型、座乗型ともに58人である。 まず、立ち乗り型についての主成分分析結果をみると、得られた主成分のうち固有値が1.0以上のものは第1主成分のみであった。第1主成分までの寄与率は62.8%であった。9種類の質問項目それぞれの主成分負荷量は、おおむね0.7~0.8であり、すべての質問項目が第1主成分に関係していると考えられる。 また、座乗型についての主成分分析結果をみると、立ち乗り型の分析結果と同様の傾向がみられた。すなわち、得られた主成分のうち固有値が1.0以上のものは第1主成分のみであり、第1主成分までの寄与率は60.7%であった。9種類の質問項目それぞれの主成分負荷量は、おおむね0.6~0.8前後であり、すべての質問項目が第1主成分に関係していると考えられる。 以上より、アンケート回答者それぞれのPMVに対する評価値は、表Ⅲ-5-1の質問に対する回答を用いた主成分分析の結果得られた第1主成分の主成分得点とする。なお、主成分得点の概要を表Ⅲ-5-2に示す。 表Ⅲ-5-2 主成分得点の概要 立ち乗り型座乗型サンプル数5858平均値0.0000.000標準偏差2.2832.041最大値2.9262.703最小値-6.991-7.271 (2)PMVに対する評価に影響する要因の分析 ①分析に用いるデータの説明 先の分析で得られたPMVの評価値に影響を及ぼす要因を把握するため、評価値を目的変数とし、影響を及ぼすと考えられる要因を説明変数とした数量化理論Ⅰ類分析を行う。 PMVの評価値に影響を及ぼすと考えられる要因としては、性別や年齢などの個人属性、立ち乗り型と座乗型のそれぞれのPMVに対する認知度や運転操作に対する意識などのPMVに対する意識、並びに、同じくそれぞれのPMVの受容性に関係する3つの意識、すなわち、「まちなかでの利用」に対する意識、「建物内での利用」に対する意識、「車体」に対する意識が影響すると仮定する。 なお、「まちなかでの利用」「建物内での利用」「車体」の3つの意識は、表-1の質問と同様に、5段階のリッカート尺度で質問している。車体に対する意識は、車体のデザイン、サイズ、一人乗りであること、および、環境技術により表現することとする。そして、建物内での利用、および、まちなかでの利用に対する意識は、各状況における安全性、利便性、および、調和性により表現することとする。 説明変数の各カテゴリにおけるサンプル数の偏りを是正するため、一部の説明変数でカテゴリの統合を行なった。「年齢」は「60歳未満」と「60歳以上」に統合した。「PMVの認知度」は、「乗ったことがある」と「知っている」を「知っている」に統合した。「まちなかでの利用」「建物内での利用」「車体」については、5段階評価を、-2と-1を否定側の評価、+1と+2を肯定側の評価、0否定でも肯定でもどちらでもない評価、の3段階に統合した。 数量化理論Ⅰ類の分析を実施する前に、多重共線性の問題を避けるため、説明変数間の相関分析を行い、分析に用いる説明変数のチェックを行なった。その結果、いくつかの説明変数で高い相関があることが確認された。そのため、それらの説明変数は除いて分析を行った。
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