報告書 現行法制度下における地域公共交通確保施策のあり方に関する研究
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52 平成19年に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が施行され、22年度は400以上の事業が全国で展開されています。このスキームが期間限定であったり、事後補助だったりといった問題を解消すべくこの通常国会で「交通基本法」が特定され「生活交通サバイバル戦略」として支援が行われる予定です。恒久的な財源の確保、移動権の保証など、問題は多いと思いますがエココンパクトシティ施策とあわせて、進展する高齢化問題にも対応が期待できるところです。これらのターゲットは主に地方部におけるモビリティ確保だと思われますが、都市部においても、高齢化が進み、公共交通利用者が減少すると、路線バスのサービス水準が下がり、さらに利用者が減り負のスパイラルになりつつあります。さらに、タクシー新法による交通モードの拡大や、環境・健康志向による自転車交通の台頭など、交通問題をとりまく状況が多様化・複雑化しております。公共交通支援センターにおけるアドバイザー派遣制度や地域公共交通マイスター制度などのソフト面も期待されていますが、交通問題が都市計画、環境、福祉等の分野にまたがる社会保障の1つと捉えるとなかなか、これといった決め手がないのも実情です。一時期ブームとなったコミバスも、財政的に厳しくなっている自治体もあり、協働という形で住民にも負担を求めているところも増しており、持続可能な交通となるか見極めも難しいところです。また、これまでの都市計画の下で交通というよりも交通によるまちづくりに変化しつつある状況から、交通基本法を軸に、高齢化、環境、自転車、道路政策など省庁間あるいは各組織をまたがる仕組みを総合的にプロデュースする必要があると思われます。 53 平成22年度に財団の支援を受け、公共交通に係る専門家の派遣を受けたところであり、平成23年度には、総合的な公共交通に係る計画を策定する予定である。主に路線バスについて、検討していきたいと考えている。 54 本市では、空白地域ではなく、不便地域として考えている 55 本市では、市内の7つの自治会が主体となっている運行委員会に車輌提供(貸与)という形での支援を行っています。法に基づかない地域公共交通として、ボランティアによる自主的運送の発展が今後期待されます。 56 本市では、十分な財源や組織、権限を持ち合わせてない中、交通弱者(高齢者・障がい者等)への地域公共交通から福祉公共交通への対応が迫られている。 57 本市では、平成21年の地域公共交通会議を設置し、主にコミュニティ交通に関する内容を議題に現在まで2回開催しております。会議では、多くの意見をいただきますが、議題に挙げたコミュニティ交通導入の取組みを行う地区に限った局所的かつ感想めいた意見が多く、広域的な観点(交通ネットワーク)での議論が不十分であるように感じており、事務局として会議のあり方のついて今後研究が必要と考えております。本アンケートの集計や研究結果の公表等をすることがありましたら、今後の検討のため、差し支えのない範囲で、お教えいただければ幸いです。 58 本市では現在定期集合バス路線に対して赤字分の補助を実施している。しかし、利用者数の減少により補助額が増える一方で便数減に伴う利便性の低下により更なる利用者減となる悪循環に陥っている。県内他市のコミュニティバスやデマンドバスは採算性が悪く維持していくことが大きな負担となっていることから、本市でも簡単に導入を決められない現状。公共施設整備や都市計画などとも関係するため、それらとも整合性をとることが必要。 59 本市においては、高台や坂道の多い住宅地も多く、急激な高齢化により、マイカー依存から公共交通へシフトするための交通手段(地域公共交通)の整備・確保が必要とされはじめています。そのため、来年度以降に道路運送法に基づく地域交通会議設置に向けた検討会を行う予定です。今後、貴研究所へもアドバイス等、ご教授をお願いすることも考えられますので、その場合には、どうぞよろしくお願いいたします。 60 本町の様な、中山間地域は枝状に高齢者などの交通弱者が散在しているが、長く続く不景気や住民のバス離れなどが急速に進み、民間バス事業者も採算の取れない路線から相次いで撤退しており待ったなしの状況となっている。町としては、それらの町民の足の確保のため町営バス等の運行の充実を図り対策を取っているが、多額の経費がかかり町の財政を圧迫している。現政府では交通基本法の制定に向けた検討が行われているが、中山間地域への財政負担等の軽減が少しでも図れる様なきめの細かい施策の展開が期待されるところである。 61 本町は、複数の民営鉄道・バス路線があります。しかしながら、鉄道駅は町域の南端に位置し、北部の住民は隣接市の鉄道駅を利用することが多くあります。町内を南北に結ぶ道路は、拡幅が困難なため、車両の離合も困難で歩道もないため、歩行者にも危険で南北移動の障害となっています。民営バスは、利用者の減により減便が進んでいます。南北間の安全な移動手段や総合病院への通院などの要望が、主に高齢者から多くあります。単に税金を投入して、自治体バスを走らせるだけでは、うまくいかないとご意見をいただき、町全体のまちづくりのための地域公共交通協議会の設置を検討中です。 39

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