まちと交通 2004年3月 9号
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主任研究員 増岡 義弘~第10回ITS世界会議~海外レポート21 TTRI Letter №9はじめに ITS世界会議は,1994年にパリで最初の会議が開催されて以来、ヨーロッパ、アメリカ、アジア・オセアニアで順番に開催され、今回の第10回会議は、スペイン・マドリッド市の「Feria de Madrid」(IFEMA国際展示場)で2003年11月16日から20日の5日間の日程で開催された。 今回のテーマは「Solution for today and tomorrow」(今日や将来の課題の解決に向けて)で、4つのセッションと展示、テクニカルツアーに世界各国から6270人、うち日本からは約1000人が参加した。 研究所は第2回横浜会議から続けて参加し、今回の会議は、豊田市と合同で3件の論文発表と次回のITS世界会議愛知・名古屋2004の開催方法等の下見を目的に参加した。会議の概要 ・セッション 平成15年11月17日(月)~20日(木) (1)プレナリーセッション 世界会議の基調となる会議 (2)ストラテジーズアンドパースペクティブセッション 企業トップレベルと政府関係者が出席し、将来 に向け、議論する会議 (3)スペシャルセッション ITSの開発、展開の専門家が出席する会議 (4)プレゼンテーションセッション・・・ ITSの推進に関する様々な側面についての発 表の場、発表論文約800 本 ・展示 平成15年11月17日(月)~20日(木) 世界20カ国より238者が参加 (U.K59,スペイン31,フランス22,日本17など) ・テクニカルツアー 平成15年11月17日(月)~19日(木)世界会議の会場となったIFEMA国際展示場 オープニングセレモニー(開会式) 開会式の挨拶で、ほとんどのメンバーが触れていたのが「ITSによる安全」の話である。ヨーロッパ15カ国では自動車交通の飛躍的な延びにより、交通事故の発生は大きな問題と捉えられており、年間死者数が4万人弱、負傷者が170万人以上にも上ることから、EUでは、2001年9月に「e-Safety」プログラムを発表し、2010年には交通事故死者数を半減する目標を立てている。そのためにITSを利用しようとするものである。 また、衛星を30基使用して、「Galileo Programme」と称するGPSを利用したナビゲーションシステムの高度化を行い、公共交通機関や利用者に、より高度な情報提供やIT技術を利用した事故対策などを提案している。 オープニングセレモニーの合間にはスペインバレエのアトラクションが用意されており、和んだ雰囲気での開会式であった。オープニングセレモニープレゼンテーション 当研究所の大場健司主任研究員が、豊田市ITS戦略プラン「STAR☆T21」について、全体の概要と3つのプロジェクトの詳細な内容について発表を行った。 特に、玄関口バスの簡易デマンドシステムについては、来年の世界会議に向けて豊田市、当研究所、トヨタ自動車(株)の3者で共同してのシステム開発を行っており、テクニカルツアーのメニューの一つとしての位置づけを説明した。会場内の様子 会議では、プレナリーセッション、ストラテジーズアンドパースペクティブセッション、スペシャルセッション、プレゼンテーションセッションが全18会場を使って開かれた。 各会場の広さは50人程度のものから300人以World
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