まちと交通 2004年3月 9号
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研究員レポートTTRI Letter №9 16Researcher's report 休日では、自由目的のうち、食事・社交、観光・行楽目的の項目の割合が増加しており、市内及び市外近郊へのショッピング、食事、観光、レジャー等で行動していることがわかる。逆に、休日のために通勤・通学及びそれらの帰宅のための送迎目的の項目の割合や、塾への通学や病院への通院目的の項目の割合が、平日に比べて減少している。(3)自動車利用が増える 休日では、代表交通手段で自動車利用する人が、平日に比べて13ポイント増えている。(平日:68% ⇒ 休日:81%) 図3 代表交通手段の平日と休日の比較 休日では家族などと一緒に行動することが多いため、学生・生徒の自動車利用が平日24%から休日67%に増加し、主婦においても平日72%から休日84%に増えていることが、自動車利用割合の増加につながっていると考えられる。(4) 活発な昼間中の交通行動 休日では、ほとんどの昼間の時間帯で交通行動が活発に活動していることを示す台形型となっている。(ピーク率(平日:14.2%(8時台) ⇒ 休日:9.5%(11時台))図4 目的地への着時刻分布の平日と休日の比較 休日の時間帯変動は、平日の出勤、登校目的およびそれらの帰宅目的による明確なM型分布でなく台形分布で ある。全般的に休日の生活形態は、平日と比較し、朝の活動時間は遅く、夕方の活動時間は早く、1日の活動時間帯は若干早い傾向にある。これは、社会生活基本調査の休日行動の時刻分布からも伺われる。 着時刻の時間帯変動は、就業者、就学者、主婦・無職により異なるが、全般的に朝の活動時間が遅いなかで、高齢者や生徒・学生は、比較的朝早くから行動しており、生徒・学生ではクラブ活動などによる登校目的が見られる。また、高齢者の行動は夕方(18時)以降少なくなっている。(5)活発な動きをする製造業関連の従事者 休日では、生産工程労務従事者、技術的専門的職業従事者の1人あたりトリップ数(グロス)は、他の職業従事者と異なり、休日の1人あたりトリップ数の方が平日よりも大きい。○生産工程労務従事者 (平日:2.41 ⇒ 休日:2.46)○技術的専門的職業従事者(平日:2.58 ⇒ 休日:3.05)図5 職業別トリップ数・外出者率の平日と休日の比較 休日では、外出者率が高いのは保安職業、販売、技術的専門的職業従事者で85%を超えており、反対に外出者率が低いのは無職・その他で50%となっている。次いで低いのは学生で70%である。 さらに、1人あたりトリップ数(グロス)をみると、技術的・専門的職業従事者が3.05で最も大きく、他の従事者と比較して人の動きが活発である。反対に無職・その他が最も小さく、次いで学生となっている。生産工程労務従事者の外出者率は80%となっており、休日の平均外出者率75%を上回っている。休日の1人あたりトリップ数(グロス)は2.46で、平日と比較すると、平日では他の従事者と比較して最も低い値であったが、休日では就業者平均2.44を上回り、他の従事者と比較し若干大きい。また、平日より休日の1人あたりトリップ数が上回っているのは、先にあげた技術的専門的職業従事者及び生産工程労務従事者となっており、自動車関連の製造業に従事している人の休日の動きが活発となっている。 平日休日

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