まちと交通 2004年3月 9号
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主任研究員 坂本 利彦豊田市休日交通行動調査研究員レポート15 TTRI Letter №91.はじめに 豊田市は、平成13年に第4回中京都市圏パーソントリップ(平日交通行動)調査にあわせて独自に上乗せ調査を実施し、今後の都市交通計画を詳細に検討するための基礎資料としている。豊田都市交通研究所では、この調査にあわせて、特に休日交通行動に視点をむけた「豊田市休日交通行動調査」を実施している。本稿では、これらの平日及び休日交通行動調査結果の比較から、豊田市における休日の交通行動特性についてまとめている。2.調査概要 調査対象者として、豊田市内に居住する世帯と構成員(平成13年10月1日、満5歳以上)のうち、平日調査は約8%、休日調査は約1%を無作為抽出している。調査概要は、表1の通りである。表1 調査概要3.調査結果 平日交通行動との比較から、主な休日行動の交通特性について整理すると、以下の5つの傾向がみられる。(1) 市への流出入と市外での流動(行動)が増える(2) 自由目的が2倍に増える(3) 自動車利用が増える(4) 活発な昼間中の交通行動(5) 活発な動きをする製造業関連の従事者(1) 市への流出入と市外での流動(行動)が増える 市民の交通の動き(流動種類別)でみると、市の内々での動き、市への流出入の動き、市外での動きの3種類に分類される。市への流出入と市外での動きを平日と休日で比較すると、割合が増加(平日:21% ⇒休日:37%)している。 周辺では名古屋市、岡崎市、三好町、Researcher's report知立市、刈谷市、安城市への流出入の割合が大きく、特に、市南部の高岡,上郷地区では、近隣周辺都市との結びつきが強い。 平日 休日図1 市外への流出入の動き 平日では、名古屋市、三好町,岡崎市への流出入の割合が大きく、さらに、刈谷市、安城市、知立市への流出入の割合が大きい。休日では、名古屋市、岡崎市、三好町への流出入の割合が大きく、さらに、知立市、刈谷市、安城市への流出入の割合が大きい。 平日と休日を比較すると、休日に岡崎市、知立市、刈谷市、安城市への流出入の割合が大きくなっている。市南部地区の内々流動の割合は小さく、市南部に隣接する周辺都市へ流出していることがわかる。(2)自由目的が2倍に増える 平日に比べ、休日は自由目的が倍増している。また、自由目的のうち、いずれの項目でも増加している。○家事・買物 (平日:8% ⇒ 休日:21%) ○その他の自由(平日:4% ⇒ 休日:12%) ○食事・社交 (平日:3% ⇒ 休日:11%) ○観光・行楽 (平日:1% ⇒ 休日: 6%) 注)その他の自由:散歩など図2 自由目的の平日と休日の比較
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