まちと交通 2024年2月 86号
6/6

り実施されており、体面上だけの「横連携」ではなかったことが窺えます。 開業後、当初の想定を上回る利用者数であるとのこと。私も全線乗車してきましたが、共通ICカード乗車券に対応していることも便利ですし、乗り心地良く、何より「まちのシンボル」たり得る格好良さ。休日は地域住民と思しき親子連れの姿が目立っておりました。 モビリティ・マネジメント会議で語られた市長や担当部長の「将来の宇都宮」に対する熱意と、それを実現するための合理的施策展開に感銘を受けました。公式ホームページ(https://u-movenext.net/)では単に公共交通機関としての情報提供に留まらず、まちづくりの方針が語られています。ご興味ある方は閲覧してみてください。 コロナ禍中は主にオンライン開催だった学会等の研究発表会。今年度は多くのイベントが現地対面開催に戻りました。私も久しぶりに土木学会全国大会(広島大学)、土木計画学研究発表会(福岡大学、東京都立大学)、日本モビリティ・マネジメント会議(宇都宮市)に赴き、他研究者らの研究成果をナマで聴講し討議に参加できました。 さて、宇都宮と言えば先ず「餃子」が思い浮かぶかもしれませんが、令和5年度は「交通まちづくり」に関する熱い話題で注目を集めました。8月26日に開業した「芳賀・宇都宮LRT」は、構想から30年を経て実現した軌道系の公共交通で、宇都宮駅●発行/(公財)豊田都市交通研究所 ●発行人/専務理事 福井 隆昭●発行年月日/2024年2月15日 ●編集/下垣 竜太●お問合せ/〒471-0027 愛知県豊田市喜多町3丁目110番地 コモ・スクエア イースト1F TEL.0565-31-8551 FAX.0565-31-9888 URL https://www.ttri.or.jp/写真/市街地を走る芳賀・宇都宮LRT■2024年1月1日付入所参事 石田 裕康(Ishida Hiroyasu)東口から芳賀・高根沢工業団地までの約15kmを約44分で運行されています。ピーク時は6分間隔の運行がなされ、高齢者の生活交通に加え通勤・通学需要に対応した基幹交通としてのサービス水準が確保されています。 政策において特筆すべきは「ネットワーク型コンパクトシティのまちづくり」という確固たる方針を掲げ、就業施設、商業施設、教育施設、住宅地などの拠点開発と併せた計画に基づき事業展開が成されていること。加えて「地域包括ケアシステムの構築」も組み込まれています。よく耳にする「縦割り行政」という揶揄の付け入る隙が無い事例だと感じました。平成28年度から3年をかけた地域住民への説明は、市役所の5部署が連携し約20〜40地区で4回に亘■2024年1月1日付入所主任研究員 新谷 英樹(Aratani Hideki)トヨタ自動車(株)より出向趣味:読書(村上春樹 他)、日本語教育ボランティア この度、研究員として豊田都市交通研究所に着任いたしました。 前職では、海外営業、渉外広報、工場部門を経験、思い返せば、人材育成やイベントの企画・運営等を数多く経験してまいりました。渉外広報部門時代には、「地域の児童・園児向けの交通安全イベントの企画・運営」や、工場では「交通安全事務局」にも携わっていました。 正直、右も左もわからない状態での入所ではございますが、前職でのあらゆる経験を活かすことで、「バックボーンの違う皆様とは異なった視点、自分らしさを少し出せるといいな」と、考えています。 新しいことにも、興味を持ち積極的に学んでいきたいと思っています。これから、どうぞよろしくお願いいたします。主幹研究員・次長 山崎 基浩トヨタ自動車(株)より出向趣味:乱読、お酒、クルマ(メカに全く詳しくないです) この1月に、トヨタ自動車(株)から着任いたしました。 前職では主に総務人事と国内営業を担当してまいりました。 “都市交通研究”は、私にとりまして未知の分野となりますが、昨今の様々な激しい環境変化とそれぞれ密接に関わり合う、社会にとって大変重要な領域と認識しておりまして、大変ありがたく気の引き締まる思いでございます。 微力ではございますが、「第3次中期ビジョン」の推進等などに向け、少しでも貢献できますよう尽力してまいる所存でございます。 何卒、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。交通まちづくりの体現86号人事異動研究員報告

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る