まちと交通 2024年2月 86号
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特集図1/KLAを用いて来訪者に関するデータを収集した領域の設定図 日本の各地で中心市街地の衰退が問題視され、活性化が叫ばれるようになって久しいことは、本稿をお手に取っていただいた皆さまの中には、ご存知の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。豊田市における中心市街地活性化の取組みは、昭和60年都心総合整備基本計画を制定し、豊田市駅周辺での市街地再開発事業に取組み始めたところから始まっています。 その後も時代に合わせて関連計画を策定しながら様々な取組み(公共施設の集約、郊外型ショッピングモールの立地抑制等)を実施してきた結果、今なお、中心市街地が廃れていない全国でも稀な地方都市となっています。それでも残念ながら、人口減少やコロナ禍による生活の変化によって中心市街地のにぎわいの減少が止まらないというのが実情です。 そのような中でも、中心市街地を「誰もが来街したくなる魅力的な拠点」としていくことを目指して「魅力的な都心のにぎわい創出」のための取組が行われています。例えば、現在豊田市駅周辺で行われている再整備もこうした取組の一つとして進められているものです。こうしたハード面での取組によってにぎわい創出のための空間を創出することに加えて、その空間を活用してにぎわいを創出するソフト面での取組も重要であり、官民が協力して様々な施策やイベント等が実施されています。本稿では特に、空間の活用によってにぎわいの創出を目指すソフト的な取組に着目することとします。 さて、せっかくであればより効果的な取組を考え出し、実施をしていきたいところですが、私達はそもそもどうすれば「効果的な取組」を考え出せるのでしょうか? 豊田市で主任研究員 大澤 脩司携帯電話位置情報データを用いた豊田市中心市街地における人流分析

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