まちと交通 2024年2月 86号
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で「人の和」が最も重要であるとされています。しかし、「人の和」は政策およびその実現のみに向けてよいでしょうか。 政策提言の扱いについて、私にとって忘れられない出来事の一つは、ストックホルムのロードプライシング政策に関する話です。2006年6月に、ヨーテボリで開催された欧州委員会が主催した第1回TRA(交通研究会議)に出席して論文発表を行いました。その時、ストックホルムでは試験的にロードプライシングが導入されて、私が論文発表を行ったセッションでストックホルムの副市長および政策提言を主導したIBMのプロジェクト責任者が出席されてストックホルムのロードプライシングに関する中間報告を行いました。忘れられないのはその後の話です。ロードプライシングの導入については、試験導入前に世論は二分し<今後の予定> 2月21日(水)18:30〜19:30        豊田市若宮町1-57-1        T-FACE A館9階とよた市民活動センター会議室2024年2月86号 「政策提言を行うタイミングは重要」と言えば、誰でも否定しないでありましょう。また、「時期尚早」が提言の採用を見送る際によく用いられる表現の一つです。我々は、「天の時」を見て、地域に相応しい提言をしていくことを日ごろ意識しています。また、時には、社会的合意形成のあり方も含めて提案しています。つまり、「天地人」のいずれも欠かさず配慮・判断する必要があります。 「天地人」は孟子の教えの「天の時、地の利、人の和」に由来します。戦略が成功する三条件として考えられています。その中ていました。時のAnnika Billstrom市長が反対意見を押して導入しましたが、TRAの後に実施された市民投票でロードプライシングの正式導入は51%の賛成を得て、2024年現在も継続されているものの、Annika Billstrom市長自身が再選されませんでした。このようなことについて、市長がご自身の政治生命をかけて正しいと思う政策導入を実現させたと評価する人がたくさんいます。一方、政策における「人の和」を得たものの、政策の実施者における「人の和」を得ることが出来なかったので、やはり実施に踏み切ったタイミングが早すぎたとみる人もいます。 交通まちづくりの持続可能性を念頭に、現在のみならず、後世にも最適と評価される政策提言とは何かと悩みつつ、邁進して行かねばならないのではないかと考えます。「まちべん」に参加しませんか※詳細はWEBに掲載中 (https://www.ttri.or.jp/machiben/)お知らせ政策提言における「天地人」豊田都市交通研究所 研究部長・主幹研究員安藤 良輔公益財団法人 豊田都市交通研究所特集

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