及び周遊行動に関する分析営のあり方 新しい中期ビジョンの初年度して、「まちと暮らしを支える交通」と「交通の安全・安心」を目標に、以下に示す諸活動を進めていく。 行政が主体的に計画を策定し、生活交通を確保・維持する社会構造が熟成する中、より細やかなサービスの実装ニーズが高まっている。しかし、行政負担のみで実施することには限界があり、住民等による共助運営が模索されている。そこで、地域自治の基礎単位である自治区に着目し、移動実態の傾向や地域特性、地域公共交通に対する意識を把握し、政策推進を支援する知見と課題を整理する。②深層学習を用いた短期交通渋滞予測 近年、深層学習による渋滞予測の需要が増し、精確な交通予測情報を提供することは、道路利用者が渋滞を避けることや道路管理者が動的な対策を実施すること等に対して、極めて重要な意味を持つ。本研究では一般道路を対象とし、計算時間の短縮や予測精度の向上を目指しながら、曜日変動等を考慮した短期交通渋滞予測深層学習モデルの構築と検証を行う。③高齢者の運転に関する態度・意識と免 道路交通法改正において「サポカー限定免許」という新たな選択肢が追加され、運転継続と返納についての新しい視点での議論が必要である。本研究では、過年度実施した「高齢者モビリティの選択要因と支援方策に関する研究」で収集した高齢者講習や運転に関する調査データを応用し、許更新時データの分析高齢ドライバの運転のあり方について考察する。また、新制度の利用に年齢制限はないため、この知見は若齢者の運転にも参考する。④WRC(ラリージャパン)来訪者の特性 WRCの来訪者に対して、観戦にとどまらず周辺地域への観光を促していくことが重要である。施策検討の足がかりとして、2022年大会における来訪者の特性と周遊行動の実態を解明した上で、施策検討に資する知見や課題を取りまとめるとともに、関係者と連携しながら、具体的な施策を検討する。⑤豊田市中心市街地への来街者の滞在・回遊行動に関する研究 市街地における賑わい創出・回遊促進につながる施策検討に資する知見を取りまとめるため、Wi-Fiパケットセンサと携帯電話位置情報のデータを複合的に活用し、平常時とイベント開催時の来街者の回遊行動分析を行う。また、前年度までの研究成果を踏まえ、新たにBluetoothパケットデータを活用した滞在時間の把握手法の開発に取り組む。 交通事故の被害程度は衝突時の速度と質量で表す運動エネルギーに依存する。生活道路は、歩行者など衝突被害が大きくなりやすい多様な主体が共存することから、死亡重傷事故をなくすために、速度に加え、質量をいかに制御するかが重要である。そこで、速度抑制策であるゾーン30プラスの展開に向けた知見とともに、軽量小ントに関する基礎研究型車両普及の効果や社会受容性を把握する。②豊田市でのラリージャパン開催による交通安全教育の推進に関する研究 2023年もラリージャパンが開催される。今回は市主催となり、公益性がより一層期待されており、交通安全の推進と絡めた議論がされている。そこで、ラリー開催をきっかけとして取り組む対策により市民の交通安全意識を向上させられるか評価することを目的とし、関連部署と連携しながら、啓発イベントや効果的なコンテンツを検討・展開する。また、調査等によって、市民の交通安全意識の変化を明らかにする。③高齢ドライバのための運転モニタリン 高齢ドライバが関わる交通事故低減のため、自身の運転能力を把握することの重要性が指摘されている。ドライブレコーダは貴重な情報源であるが、データを利用しているドライバは多くない。そこで、収集したデータを活用し、運転能力を把握する簡易評価の在り方について考察する。また、運転能力のモニタリングを目的としたデータ活用を推進していく方法論について研究する。④ライダー視点のバイク事故防止 コロナ禍以降、3密を回避できる手頃なレジャーとして、50歳以上のリターン層を中心としたバイク利用者が急激に増加している。一方、中山間地域では、カーブ区間を中心に重大事故の発生が報告されている。バイクは自動車と全く異なる操舵スキルが求められるため、重大事故の低減には従来のカーブ区間での対策とは異なる視点が必要である。そこで、ライダーの視点で過去の重大事故現場を評価するとともに、評価結果を踏まえたライダーの心に響く対策の開発を目指す。 研究成果報告会と「まちべん」の開催および年報と「まちと交通」(本紙)並びに成果報告書の発行等を行っていく。また、市長への政策提案等を実施する。モデル構築の試み(2)交通の安全・安心 第11次豊田市交通安全計画では、「交通事故ゼロの豊田市を目指して」を基本目標に掲げるなど、交通の安全・安心に係るニーズは一層高まっている。特に被害が甚大になりやすい高齢ドライバや生活道路での安全性向上に向けた研究をさらに蓄積するとともに、新たな視点での交通安全教育やコロナ禍における死亡事故の特徴も踏まえ、以下の研究に取り組む。①生活道路における速度&質量マネジメ研究部部長 安藤 良輔グデータ活用の提案2 政策提案・研究成果広報関連活動1 調査・研究活動(1)まちと暮らしを支える交通 超高齢社会において社会生活の基礎を担う移動手段の確保という課題の重要度は高い。政策の視点は多岐にわたるが、公共輸送サービスの確保、快適で安全な運転、中心市街地のみならず郊外や山村地域も含めた拠点の活性化等は地方都市にとって重要な課題であることから、以下の研究に取り組む。①地域特性からみた地域内生活交通運2023年度研究活動計画
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