減った方が減少し、逆に増えた方が増加していることがわかります。 では、このような市民活動頻度の変化は、他の活動の頻度とどのような関係性にあるのでしょうか。【表2】は市民活動の変化と外出頻度の変化の関係性を示しています。市民活動が増えた方は、通勤・通学、業務での外出頻度が減少している一方、趣味娯楽、通院の頻度が増えています。市民活動が減った方は、他の方と比べて趣味・娯楽、買い物、外食(酒有り)といった余暇に関わる外出頻度の減少がみられますが、その代わりに増えたような外出目的の傾向は読み取れません。の普及の結果でしょう。そして、新たに生まれた時間を使い、市民活動を増やしているといった関係性が確認できたことは、コロナ禍のポジティブな側面といえるでしょうか。 冒頭で述べたとおり、地域活動、市民活動は、人とのつながりを支える社会関係資本のひとつです。コロナ禍で断ち切られた、もしくは弱まった「つながり」をどう復旧していくべきか、コロナ禍後のニューノーマルの構築を目指して、これからも研究を進めていきたいと考えています。 コロナ禍は、多様な市民活動の活動頻度に少なくない影響を与え、多くの活動が 3月に開催されたWBC、侍ジャパンの優勝、3大会ぶりの3度目の世界一で幕を閉じた。1次ラウンドから勝ちっぱなしの7連勝、大谷翔平選手が大会MVPに輝いた。アメリカのメジャーリーグや日本のプロ野球から、スター選手が参加、初の日系人メジャーリーガーラーズ・ヌートバー選手の活躍も印象に残った。私がセントルイスに住んでいたこともあって、彼の所属するカージナルスについて調べてみた。中西部ミズーリ州セントルイスのブッシュスタジアムに本拠地を構え、19世紀から存在する古豪集団、MLB屈指の名門だそうだ。ワールドシリーズ優勝11回、リーグ優勝19回を誇る。バドワイザーで有名な地元企業、アンハイザー・ブッシュ社が一時期オーナー企業であったことから、ブッシュスタジアムとなったとのこと。日本人では、ワールドシリーズ制覇を2回経験、現在オリックスでコーチをしている田口壮選手が所属(2002〜2007)していた。 WBC効果でメジャーリーグ、プロ野球ともに例年以上に盛り上がっている。WBCに出場した選手がそれぞれのチームでどんな活躍をしているのか、とても楽しみにしている。減少していました。なかでもスポーツ活動や学習活動は、それまで高頻度で実施していたにも関わらず、コロナ禍になり「参加しない」といった判断をした方々が少なくないようです。このような市民活動の変化と心身の状態の関係性も確認され、健康状態への不安やストレスの状態とも一定の相関がありました。この因果関係―すなわち、コロナ禍で、市民活動が減ったから健康に不安を感じているのか、健康に不安を感じるようになったから市民活動が減ったのか―の特定はこれからの課題ですが、コロナ禍が市民活動の変化をもたらした事実が揺るがないとするならば、前者のケースが多いと考えてよいかもしれません。他方で、市民活動がコロナ禍で増えた方々もいました。それは、通勤・通学や業務で外出する頻度が比較的よく減少した方々です。通勤・通学や業務で外出頻度の減少はまさしく、在宅2)加藤陽子 (2020), 新型コロナウイルス感染拡大に伴う児童生徒の心理的支援, 日本健康相談活動学会誌, 15(2), 134-138.3)日本福祉大学(2016),「健康に関連する地域の社会関係資本の測定指標の開発」プレスリリース, No086-16-164)Saito M., Kondo N., Aida J., Kawachi I., Koyama S., Ojima T., Kondo K. (2017), De-velopment of an instrument for communi-ty-level health related social capital among Japanese older people: the JAGES project. Journal of Epidemiology. 27(5): 221‒227.【参考文献】1)館林瑛司 (2021), コロナ禍により求められる生活保護制度での[日常生活自立]と[社会生活自立]及びその支援過程への評価, 地方自治ふくおか, 72, 52-67.※単位:日/月 ※実サンプルにより算定表2/市民活動変化と外出頻度変化の関係コラム四季折々
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