まちと交通 2022年5月 79号
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る回遊行動への影響に関する研究設の開設を念頭に実施して、本研究の完結を目指します。①豊田市駅前大型商業施設の開業によ ライダーによる「交通死傷者 ゼロ・交通事故 ゼロ」の達成を目的に、バイク事故の詳細評価、走る事の意味について車のドライバーとバイクのライダーとの違い、道の影響のモニタリング重点課題. 交通の安全・安心 令和3年は、愛知県の交通事故死者数が3年連続でワーストから脱出したにとどまらず、統計を取り始めた昭和23年以降で最少となりました。令和4年度では、これまでに十分な取り組みをしていない課題へ対応して、総合的な視野で研究を進めていきます。①歩車分離信号の効果に関する研究 令和3年3月発行の「愛知県における持続可能な交通安全施設等の整備の在り方」では、今後、歩車分離信号の整備数を大幅に増やしていく方針が示されました。一方、歩車分離式信号による主な問題点として、交差点処理可能交通量の低下による交通渋滞の発生と増加とそれらに伴う信号無視事故の誘発及び周辺交通事故の誘発等が指摘されています。豊田市の交通安全の向上、愛知県の交通事故死者数の減少等から本研究を実施し、既存の歩車分離信号の実態調査及び効果の分析を行います。②ライダー視点のバイク事故防止 〜その認識、視点の送り方等の抽出・整理を行います。ライダーとしての単独・集団走行時の経験と運転意識の関係を整理し、ライダー自らが減速する道の要素を抽出して、ライダーに特化した安全施策を提案していきます。③歩行者優先意識の定着促進に資する地域活動方策 豊田市のソフト的な交通安全施策の基盤となる具体的「ブランディング」の確立を目指します。 また、『これからの「生活道路」空間マネジメントに関する研究』と連携し、ハード整備も含めた歩行者事故防止施策を示すことを目的としています。「とよたブランドを前面に出した情報提供による歩行者優先意識醸成のためのMMツール」を検討します。④これからの「生活道路」空間マネジメン 日本国内で「ゾーン30プラス」の検討を進めていますが、それは交通規制単独での実効性への懸念が背景にあると考えられます。また、「みち」の在り方のダイナミズムの中でも、いわゆる「生活道路の空間マネジメントの在り方」が今まさに求められています。そこで、過年度成果や、多種多様な地域で取り組まれる研究事例をシステマティックに整理しつつ、これからの豊田市における安全・安心かつ持続可能な「生活道路」空間マネジメントに関する基礎的な考察をすることを目的とします。なお、本研究はソフト施策に着眼する「歩行者優先意識の定着促進に資する地域活動方策」に対してハード面(環境整備)に着眼するといった違いがあるものの、成果導出については適宜連携します。研究の方向性2. 都市空間を創出する交通 複数年にわたって実施してきた中心市街地の在り方に関する研究を、新しい商業施 社会動向やニーズを踏まえた地域課題を解決するための交通まちづくりの推進が、SDGsの達成に大きく貢献するものと考え、5年目となる「中期ビジョン」に係る事業への取組を仕上げていきます。 継続テーマとして、令和4年度では、引き続き、特に豊田市に類似する地方都市での関連調査及び成果を俯瞰しつつ、コロナ禍が豊田市の都市交通に与える影響をモニタリングすることで、将来にわたり生じようとしている都市交通上の課題を確認・整理し、With/Afterコロナ時代における交通政策の方向性を提言します。なお、個人行動変化のより詳細な要因を捉えるため、個人行動調査のパネル調査の実施とともに、交通事故の発生傾向についてより詳細な分析を行います。②利用者の個人差を考慮した高齢者のMaaSに対する社会受容性に関する調査研究 本研究では、高齢者を対象としたMaaSの社会受容性を向上させるための方策検討に向けて、アンケート調査等の実施を通じて、高齢者の個人差を表す「デジタル・ディバイド」の現状及び解消方法を把握するとともに、利用者の個人差を考慮した選択行動分析モデルの構築を通じて、これらの要因がMaaSの利用意向に及ぼす影響を明らかにします。 令和3年度では、松坂屋豊田店の閉店が駅周辺の回遊行動に与える影響評価を実施しましたが、引き続き、新しい施設のオープンに伴う効果評価を実施します。また、人の移動を把握するための様々なデバイスや無償・有償のデータが利用可能になってきており、パケットセンサーとその他データを組み合わせた詳細な回遊行動把握手法を開発し、豊田市駅前大型施設の再オープンによる回遊行動への影響評価を行います。課題と対策検証〜研究部部長 安藤 良輔トに関する研究1 調査・研究活動研究の方向性1. 暮らしを支える交通 収束が見通せない新型コロナウイルスを念頭に、また、ますます顕著になってきているICTによって生じた高齢者と非高齢者の利用の利便性の差異を加味した調査研究を実施していきます。①コロナ禍が豊田市の都市交通に与える2 政策提案・研究成果広報関連  活動 研究成果報告会と「まちべん」の開催および年報と「まちと交通」(本紙)並びに成果報告書の発行等を行っていきます。また、市長への政策提案会等を実施します。2022年度研究活動計画

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