まちと交通 2020年11月 73号
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4144108241031396228312607152796369496877768278455776666079372843172623492913204124942232638100%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%(n=98318)(n=38512)(n=28138)(n=293912)(n=11312)(n=97316)(n=7532626)(n=4724383)(n=3281345)(n=12219391)(n=275184)(n=7456693)(n=1058116)(n=691661)(n=331280)(n=1284856)(n=72063)(n=887326)※コロナ禍前に同交通手段を利用していた方の回答▲図5/コロナ禍以降(2020年1月)における各交通手段の利用頻度の増減※コロナ禍前は「豊田市中心市街地活性化基本計画(H28年12月)」の結果 ※複数選択図8/中心市街地に求める場・機能の変化(豊田市)4654352222233422130302423629155101817302628991837434643344144272948504445343433402218202030182427272323182023333429734102781539318956112222120%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%図6/コロナウイルスへの感染リスクに対する安心感(豊田市, N=359,369)▶※複数選択(指摘率(%))図7 住みたいと思う地域の変化0.05.010.015.020.025.030.035.040.045.0倍になるといった報告2)があります。特に高齢者においては感染リスクを恐れて外出をしなくなることのリスクの大きさにも目を向けていくことが極めて重要となるでしょう。全体の就業者に対する割合でみればそれほど大きくはないものの、在宅勤務をはじめとするコロナ禍をきっかけとした働き方の変化は、特に豊田市では比較都市と比べて大きくはないものの、コロナ禍収束後も継続される傾向がありそうです。この傾向は特に事務従事者で顕著となる(注1)など、職種によっても異なりますが、通勤交通からの様々な直接需要(公共交通の利用など)から派生需要(食事、買い物など)に至るまで多様な影響が予測されます。鉄道、バスといった公共交通の利用減少は深刻です。本稿では示していませんが、豊田市都市整備部交通政策課から提供されたデータによれば、豊田市が運行するおいでんバスの利用者は7月時点の前年同月比で2割以上減少しています。感染リスクが高いと意識される他の施設が「密」になりやすいものであることからも「公共交通」=「密」という印象が強いということなのでしょう。科学的データにもとづく正しい感染リスクを示すことともに、日々の対策の実施状況など利用者に対する「安心」の提供がまずもって重要であることが予想されますし、利用ニーズを踏まえた公共交通サービス計画のあり方も柔軟に検討していくことが必要となるでしょう。豊田市における若年層の中心市街地居住意向の低下、中年層をはじめとする郊外居住意向の増加も、将来の都市のあり方を考えるうえで極めて示唆を与えるものです。これまで推進している中心市街地への居住政策や、ニーズの増加する郊外居住の対処について適切な対応を進めることが重要となりそうです。 今回はあくまで速報的な整理にとどまっていますが、それでも今後の豊田市の都市交通のあり方において示唆に富む結果を示しているものが多いと考えます。今後、さらなるデータの整理、分析を実施していく予定です。 本稿では割愛をしましたが、現在、上記の成果をベースに、これまでどおり維持すべきもの、対応をすすめるべきもの、このコロナ禍を機に発展的に対応をすすめるべきものといった視点から、本結果を中心とした豊田市に対する政策提言を実施しています。本成果が豊田市はもちろんのこと、地方都市のコロナ禍を超えた先の目指すべき方向性に寄与することを本特別研究チーム一同、心より願っております。【注釈】(注1)今回の調査で職種別の在宅勤務実施状況をみたところ、コロナ禍において事務系の会社員は3割弱が「週3~5日程度」以上在宅勤務を実施している一方、技術系の会社員は1割程度、それ以外の会社員においては5%程度にとどまっているなど、職種による違いが顕著となっている【参考文献】1)渡辺美鈴, 渡辺丈眞, 松浦尊麿, 河村圭子, 河野公一:自立生活の在宅高齢者の閉じこもりによる要介護の発生状況について2)東京都健康長寿医療センター研究所:Co-exis-tence of social isolation and homebound sta-tus increase the risk of all-cause mortalityおわりに

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