●狙い:豊田市におけるコロナ禍の都市交通の現状について、市民意識から把握しようとする●調査:マクロミル社●回答者:マクロミル社の登録モニター●実施時期:令和2年9月3日(木)20:00~9月7日(月)10:00●調査方法:都市5群(豊田市、比較群として名古屋市、豊橋市、岡崎市、上記以外の愛知県、愛知県中核市以外の中核市)別に400サンプルずつ、年齢階層(15-19、20-29、30-64、65-74、75以上の5群)ごとに均等回収(各年齢群80サンプル)を目指し、実施期間内で目標に到達しない場合は、最近群(例えば15-19歳は20-29歳)のサンプルを回収し、都市別の目標サンプルに到達するまで実施。都市別の目標サンプルに到達した段階で調査終了●調査項目:コロナ禍における交通実態、在宅勤務実施状況、中心市街地の来訪頻度など表1/調査の概要豊田市におけるコロナ禍の 都市交通への影響 新型コロナウイルスは、私たちの暮らしを大きく変えようとしています。このウイルスが今後、どのような形で終息していくのか見えない中で、短期的なものにとどまらず、中長期的に思いもよらない影響を与える可能性があります。当研究所では、豊田市にもたらすコロナ禍の都市交通への影響について分析し、その対策提言に向けた取り組みを研究員による特別研究チーム(メンバー:安藤良輔研究部部長、山崎基浩研究部次長、西堀泰英主席研究員、石井真主任研究員、鈴木雄研究員、坪井志朗研究員)を立ち上げ、実施してきました。ここでは、その検討の一環として実施したコロナ禍での都市交通への影響に関する意識調査について、速報的に紹介をさせていただきます。 調査の概要は【表1】に示すとおりです。本稿で示す結果については、年齢階層(5群)および性別の影響を調整するため、その構成比による拡大係数を掛け合わせた結果としています。また、特段の注釈がない限りコロナ禍前は2019年12月以前、コロナ禍は緊急事態宣言の解除された2020年7月時点の状況を回答いただいています。ここでは、豊田市、豊田市以外の他の中核市、名古屋市の3都市の比較を行いつつ、豊田市の実態について最後に考察をします。 【図1】はコロナ禍前およびコロナ禍における外出頻度について都市別および高齢(65歳以上)および非高齢(15~64歳)の別で整理した結果を示しています。コロナ禍では都市、高齢・非高齢にかかわらず「ほぼ毎日」とする外出頻度の割合が大きく減少し、「週1~2日程度」以下の外出頻度が大きく増加していることがわかります。高齢者はコロナ禍前においても「ほぼ毎日」のような高頻度の外出の割合が低く、コロナ禍においてその傾向がさらに強化されたことが伺えます。 【図2】は同様の視点でコロナ禍収束後の外出希望を伺った結果です。全般的に「コロナ禍と同程度としたい」とする回答割合が多く、都市や年齢にかかわらず全体の半数以上を占めています。他方、「コロナ禍よりも増やしたい」とする回答については中核市(豊田市を除く)は、年齢による差はあまりみられない一方、豊田市および名古屋市においては増加意向のある高齢者の割合が非高齢者に比べて低いという傾向が伺えます。 【図3、4】はコロナ禍前およびコロナ禍、およびコロナ禍収束後を予想した在宅勤務、時差出勤・時短勤務の頻度について都市の別で伺った結果を示しています。都市にかかわらずコロナ禍において「週1~2日程度」以上実施しているとする方が増加しており、特に在宅勤務は倍増していることがわかります。都市別でみると、豊田市はコロナ禍において在宅勤務、時差出勤・時短勤務ともに「実施していない」と回答する割合がやや高いことがわかります。豊田市は製造業を中心とした就業者が多く、働き方を変えづらいなどの可能性が予想されます。また、コロナ禍収束後の傾向にも違いがみられ、特に豊田市および名古屋市は中核市(豊田市除く)と比べても在宅勤務、時差出勤・時短勤務が継続するといった回答割合が高いことがわかります。 【図5】はコロナ禍以降(2020年1月以降)における各交通手段の利用頻度の増減について都市の別で伺った結果を示しています。都市にかかわらずコロナ禍において鉄道、バスといった公共交通の利用が「減少した」とする回答が多く、3~4割程度を占めています。全般的にコロナ禍において「増加した」と回答した割合はいずれの交通手段でも極めて少ないことがわかりま特別研究チーム代表 主幹研究員 三村 泰広特集外出頻度の変化~他中核市、名古屋市との比較から~はじめに働き方の変化交通手段の変化
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