表1/個別統計データで得られるデータのイメージ図1/車検証備考欄の記載例備 考 [名古屋],継続車検 自動車重量税額 ¥XX,XXX 平成27年度エネルギー消費効率 (JC08モード燃費値)XXX 平成22年度燃費基準 XX%向上達成車 [走行距離計表示値] 52,500km (平成30年10月26日) [旧走行距離計表示値] 36,500km (平成28年11月16日) 1,000km1X,XXX11 JC08 km km 車検証データに基づく詳細な自動車走行距離推計手法の提案~市町村別の自動車CO2排出量の正確な評価を目指して~ 環境モデル都市である豊田市では、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出量削減に取り組んでいます。特に、クルマのまちであることから、自動車からのCO2排出量削減は重要な課題となっています。 しかし、現在、全国の市町村で採用されている自動車CO2排出量の推計手法は、都道府県レベルの自動車CO2排出量を、自動車保有台数で按分したものであり、各市町村が取り組んだ次世代自動車の普及促進や、自動車から公共交通への転換等の施策成果を反映できる仕組みとはなっていないのが現状です。 市町村別の自動車CO2排出量を正確に推計するには、保有自動車の燃費(走行距離当たりのCO2排出量)や走行距離を、市町村別に推計する必要があるのですが、これまでそのようなデータを得ることはできませんでした。 そこで研究所では、平成29年度には保有自動車の燃費を推計する手法を、さらに平成30年度には自動車走行距離を推計する手法を検討してきました。本号では、車検証データを用いて市町村別の自動車走行距離を高精度に推計する新手法(平成30年度の研究成果)について紹介します。 国土交通省は、2004年1月1日から、中古車の総走行距離メーターを不正に巻き戻して高く売る詐欺商法への対策として、車検証の備考欄に、車検時のオドメーター(総走行距離メーター)の値と計測日を「走行距離計表示値」として記載するとともに、前の車検証に記載されていた走行距離計表示値を「旧走行距離計表示値」として記載するという対策を講じました。車検証備考欄の記載例を【図1】に示します。 これらの車検証記載事項を用いると、最新の車検とその一つ前の車検の期間、さらにその期間の走行距離が分かるため、走行距離を期間で割れば、車両の年間平均走行距離を正確に算出することができまはじめに提案手法の基本的な考え方研究部主席研究員 加藤 秀樹特集
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