四季折々コラム66号●発行/(公財)豊田都市交通研究所 ●発行人/専務理事 今枝 真一●発行年月日/2019年2月15日 ●編集/松本 宏克●お問合せ/〒471-0024 愛知県豊田市元城町3-17元城庁舎西棟4F TEL.0565-31-8551 FAX.0565-31-9888 URL https://www.ttri.or.jp/ E-mail machi@ttri.or.jp研究部主任研究員 楊 甲World TransportConvention 2018への参加研究員報告 平成30年6月18日から20日に、中国・北京市で開催されたWorld Transport Con-vention 2018に参加しました。本会議は、交通分野に関わる行政、産業、大学、研究機構、利用者が幅広い観点から議論と情報交換を行うための場を設けることを目的として、中国科学技術協会、中国交通運輸部、中国工程院が主催している国際会議となります。今年では2回目の開催であり、世界諸国から多数の参加者が集まりました。 当研究所から所長である東京大学大学院教授原田先生と筆者が参加しました。原田先生は主催者の招へいを受けて、Sustainable Transport Strategy in Tokyo Metropolitan Regionを題目とした基調講演を行いました。筆者はAnalys-ing Household Vehicle Ownership in the Japanese Local City: Case Study in Toyota Cityを題目とした論文発表を行いました。 筆者の論文は、第5回中京都市圏パーソントリップ調査データを用いて、豊田市に居住している世帯を対象に、自動車保有台数や種類に影響を与える要因を分析したものです。研究論文としての新規性は2点が挙げられます。1点目は、自動車保有台数や種類に関する既往研究では、乗用車、軽乗用車を対象とした研究が多いですが、豊田市のような地方都市では、小型貨物車の保有台数が多いため、世帯の自動車保有行動に対する研究分析にも乗用車、軽乗用車、小型貨物車の3車種を対象として設定している点にあります。2点目は、上記のパーソントリップ調査の内容では、世帯年収データはなかったため、筆者の先行研究で提案した手法を用いて、自動車保有台数や種類に影響を与える要因としての世帯年収データを補完しました。なお、本論文は会議の交通計画学分野で高く評価され、優秀論文賞を受賞しました。 最後に、使用データ提供者である国土交通省中部運輸局や研究協力者である豊田市交通政策課に感謝の意を申し上げます。写真/原田先生基調講演中の様子 写真は、お正月の大学ラグビーの一コマです。2019年はラグビーW杯日本大会(9/20~11/2)があり、ピッチでは公式マスコットの「レンジー」が雰囲気を盛り上げていました。豊田市を始め全国12都市でラグビーW杯は開催され、各都市はこれを契機に新たなまちづくりに取り組むことになると思います。私たち豊田都市交通研究所(都交研)においても、今年度、ラグビーW杯関連の調査依頼を受け、円滑な大会運営のための調査を実施しています。 都交研は、交通の視点からまちづくりを考え、日々調査・研究を行っています。平成30年度からは、新たな中期ビジョンを立て研究所の運営をしています。超高齢化や急速な技術革新などで、大きく変化する社会環境に対応するためのビジョンでもあります。事業としては、研究成果に基づく政策提言に力を入れるとしたところが特徴です。 毎年の研究成果報告書は、リニューアルしたホームページでご覧いただけます。デジタルブック化してありますので、本をめくるようにパラパラと見ることができます。 是非一度、お試しください!研究成果の発信企画管理部副主幹 渡邊 規人
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