5%41%36%33%2%20%8%23%16%%7%23%14%28%19%27%4%17%5%20%13%34%1%5%3%7%5%9%40%60%80%100%図5/都心全体と各地区の満足度に対する影響要因の分析結果(要約)45%8%33%5%14%3%41%25%36%17%33%8%2%20%8%23%16%18%7%23%14%28%19%27%4%17%5%20%13%34%1%5%3%7%5%9%0%20%40%60%80%100%D1D2D3D4D5D60200400100mD1D3D5D4D6D2T-FACE,,GAZA,KiTARA図4/都心の各地区の来訪頻度Nらは、都心来訪者が都心に対してどのように感じているのかはわかりません。そこで、都心来訪者に対する意識調査を行いました。調査はWebで回答する方法で行い、協力を呼びかけるチラシを、人手での直接配布や、都心の各施設および駐車場で留置により配布して調査への協力を呼びかけました。その結果200人余りから回答いただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。 【図4】に示すように、都心を6地区に分けて各地区への来訪頻度を質問したところ、D1、D3、D5の地区への来訪が多いことがわかりました。これらの地区は先述の都心環境計画における「魅力創出重点ゾーン」と重なります。来訪者の多いこれらの地区に重点をおいたまちづくりを進めることが重要であることがわかります。 また、都心全体や各地区の満足度に影響する規定因を分析した結果【図5】、都心全体に対しては影響の強い順に「駐車場の数が十分である」「多様な機能が集中している」「車で自宅から都心までの道のりを移動しやすい」「車がなくても公共交通で来訪できる」点が影響していることがわかりました。都心来訪の便利さや多様な機能の集積を、引き続き維持・向上していくことが重要と言えます。 また、地区別の満足度に影響する規定因については、「買い物が楽しい魅力的な店やおいしい飲食店がある」「ぶらぶら歩いて楽しい」の影響が特に強く、「安全」や「美しい街並み」なども影響していることがわかりました。店舗の魅力の維持向上とともに、それらが立ち並ぶ通りや美しい街並みの形成も重要と言えます。 本稿では、都心で収集しているデータの紹介と、それらの分析結果の一部を報告しました。それぞれの結果は断片的なものではありますが、都心のさらなる来訪者の増加に向けた課題も見えてきました。 駅を中心とする地区が歩行者の増加に貢献していることが確認できましたが、それらは駐車場利用の集中にも関係していると言えます。意識調査の結果から、これ以上の駐車場利用の集中が起きれば駐車場の利便性が低下し、都心の満足度の低下に繋がりかねないと言えます。また、駅を中心とする地区の歩行者の増加は、都心の周辺における歩行者の増加には至っていない状況です。駐車場利用の集中緩和や、都心全体の面的な歩行者の増加のためにも、都心全体で店舗の魅力を高めて、ぶらぶら歩いて楽しく安全で美しい街並みを形成することが求められると言えます。 これらのことは「言うは易く行うは難し」です。一朝一夕には実現するものではありません。紹介した知見はデータから得られたものではありますが、データからは得られない事柄についても配慮が必要なことが少なくありません。そのためデータだけに頼ることには限界がありますが、データから得られた知見も参考にしつつ、次の展開を考えることも大事なことです。 都心環境計画の実現に向けては、今後10年近くをかけて取り組みが進められる予定です。長きにわたる取り組みであれば、その間に行われる様々な取り組みに対して評価を行い、その結果をフィードバックしていくことが重要です。私達は引き続き都心の様々なデータを活用した研究に取り組み、様々な取り組みの評価を通じてまちづくりに貢献していく所存です。【謝辞】 本稿で紹介した研究は、豊田市企画課、商業観光課、都市整備課、交通政策課、豊田まちづくり株式会社の皆さまと意見交換をさせていただくとともに、データ提供を受けて進めています。ここに記し心より感謝の意を表します。【参考文献】1)国土交通省都市局都市計画課:まちの活性化を測る歩行者量調査のガイドライン(ver1.0)、平成30年6月おわりに
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