まちと交通 2001年10月 6号
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14 TTRI Letter No.6研究員レポート 3体験型交通安全教育施設と今後の交通安全教育図3-1 施設イメージ(出典:安全運転中央研究所パンフレット)図3-2 施設イメージ(出典:クレフィール湖東パンフレット)1時間以内14.7%2時間以内32.4% 3時間以内26.5%それ以上 26.5%3. 体験型交通安全教育施設 交通安全教育施設の歴史を遡ると、第1次交通戦争と言われた昭和40年代には、幼児・小学生を対象とした交通公園が全国の市町村で整備され、体験型教育が始まった。すでに建設後30年近くが経過しており、現在では施設の老朽化が進んでいる。 また、ドライバー教育については、国が設立の母体となっている安全運転中央研修所をはじめとして、各県警が運営する施設が10年程前から整備されている。さらに、自動車メーカーや運送業者等の民間企業が主体となって交通安全活動を展開している施設や自動車学校が免許取得者に対して安全運転教育を行っている施設※もある。 それぞれの特徴は以下のとおりである。 安全運転中央研修所は、日本最大級の敷地面積を持ち、高速走行を含む安全運転教育が実施されている。この施設は、全国の自動車学校の指導員や緊急自動車運転者等を中心に高度な知識と運転技術を合宿形式により研修している。 県や県警が設立の母体である施設は、ほとんどが運転免許センターとの併設である。免許更新や取得時に訪れた人々に交通学習館等で交通安全について学ぶ場を提供するとともに、濡れた路面でのブレーキング等の実車体験ができる設備を備えている。 民間企業が設立した施設としては、社内教育のために整備した施設に一般ドライバーも受け入れ、一種の社会貢献活動として位置づけているケースや自動車学校が免許取得後教育を行うもの、自動車メーカーによる遊びの要素を取り入れながらながら学ぶアミューズメント性の強いものなどがある。これらは、サーキット場に併設されていたり、山間を走るオフロードコースを持っていたりする独自色の強い施設となっている。 今回は、この様な体験型交通安全教育施設施設を訪問やヒアリング等によって調査し施設の内容をまとめた。 施設の主な設備は、学習館、交通公園、模擬路、高速路、低μ路、スキッド路、オフロード・トライアル等に分類できる。 学習館は、展示機器やシミュレーター等を使って学ぶ場であり、室内で実際に物に触れて体験したり疑似体験をすることで交通安全を気軽に学習することができる施設である。また交通公園は、幼稚園・小学生が楽しみながら学ぶことができ、道路の横断方法などを体験により習得できる公園である。図2-3 中学校・高等学校年間教育時間(豊田市内)平成13年豊田市社会部交通安全課調査結果から注)図2-1,図2-2,図2-3それぞれ未回答校は含まず

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