まちと交通 2014年11月 49号
5/6
四季折々コラム図1/ISAアプリの画面表示イメージ■はじめに 当研究所では、都市内の道路網全域で自動車の走行速度を適切なレベルに維持しようという「面的速度マネジメント」の実現に向けたさまざまな研究に取り組んでいます。その中の一テーマとして、ISA(Intelligent Speed Adaptation)の効果や適用可能性を探る研究をすすめています。ISAとは、特定地域内において走行速度を車両側から適正に制御してしまおうというもので、強制型(ドライバーの意志に拠らず車両側で速度制御する)と助言型(機器からの警告等でドライバーに自発的に速度を低下させる)があります。これまでの研究成果から、ISAの効果として速度遵守やドライバーの心的負荷軽減への寄与などが確認されています。また、助言型はドライバーに受け入れられやすく、生活道路において効果的であることも知見として得られています。■スマートフォンを用いた長期実験 昨年度、豊橋技術科学大学・中京大学との共同研究によりスマートフォンを用いた助言型ISAの研究をスタートさせました。本年度は公道での実証実験に入っています。一連のISA研究は、過年度までにドライビングシミュレータを使った室内実験や実験車両による短時間の実験を試みてきたのですが、今回は被験者が普段使っている自家用車に助言型ISA機器を搭載してもらい、長期間に亘る利用によって収集したデータ等からISAの効果計測をしようというものです。 助言型ISA車載器は、普及がすすむAndroidスマートフォンを活用しています。専用のアプリケーションソフトを開発し、これをインストールしたスマートフォンを20名の被験者に貸与し、運転中に車載してもらうことを約5ヶ月間続けます。その間、アプリにより走行中の位置情報や走行速度などのデータを収集し、助言型ISAの効果を検証します。■助言型ISAアプリの機能 この実験で開発したアプリでは、カーナビのように液晶画面の地図上に自車の走行位置が示されます。さらにGPSから取得した走行速度や規制速度情報(対象エリア内限定)が画面上に表示されます。そして走行中に規制速度を超過した場合、音声と画面表示で規制速度を警告します。また、幅員の狭い道路やゾーン30エリア内に入ると、そのことを音声で注意するという機能も備えています。これらの機能によって、ドライバーの自発的な速度遵守を促そうというものです。■利用者インセンティブの検証 助言型ISAの効果が示されたとしても、このような機能を備えた機器を人は自らすすんで利用しようとするのでしょうか。おそらく「速度低下が事故リスクを低下させる」というメリットだけでは説得できず、やはり何らかのインセンティブが必要となるように思います。実験中につき、ここではまだ詳しくはお伝えできませんが、本実験ではこのようなシステムを有効に活用しドライバーの速度遵守意識を醸成するためのインセンティブプログラムに関する検証も行っています。その成果は改めて報告いたします。研究部主幹研究員 山崎 基浩助言型ISAの効果計測のための長期公道実験研究所活動報告 もうすぐ、木枯らしがやってきます。ここ数年自分にとっては、つらい季節です。寒いからでなく、手足が冷めたくなるからです。自転車通勤をしていますが、ハンドルが握れなくなるほどです。ふだん女性がよく口にする「手足が冷える」という言葉を、男性である私がよもやこの齢になって痛感することになろうとは、思いもよりませんでした。厳冬用の手袋を二重にしても、なおその中にカイロを入れてもなす術がありません。 冷え症の原因には、運動不足、ストレスや喫煙などからくる血行不良があるようですが、私にはあまり思い当たりません。そんな折、体を冷やす食べ物と温める食べ物とがあることを聞きました。前者には、そば・小麦、豆腐、バナナ・柿・りんご、コーヒーなど私の好物が、後者には栗、納豆、鶏肉、にら・にんにくなどがあり、この中には私の苦手のものが少なくありません。また、こしょう・さんしょう・とうがらしといった調味料・香辛料も、体温を上げる効果があるそうです。 コツは、冬だけでなく年中、食生活改善をするとのことです。寒さが本格化する前から、少しずつ食べ物を意識するなど体内から対策を講じて、この冬を乗り切ろうと思います。今年の冬はあきらめない企画管理部副主幹 松本 志朗
元のページ
../index.html#5