まちと交通 2014年11月 49号
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表1/エコドライブ指標と燃料消費量の相関オレンジ:高い相関表2/効果的なスマートドライブ1)エコドライブのすすめ警察庁、経済産業省、国土交通省、及び環境省を関係省庁とする「エコドライブ普及連絡会」が取りまとめたもの。http://ecodrive.jp/eco_kankyo.html・ムダなアイドリングを控える (運転開始時、運転終了時)・高速道路では、速度を控えめに、ムダな加減速をしない・一般道では、前方をよく見て早めのアクセルオフ図5/選定データの燃費改善率ガソリン車9名の平均燃費改善率:約15%参加者番号平均燃費改善率GV4GV6サンプル数ふんわり発進非急加減速早めのアクセルオフ28-0.561-0.620-0.76920-0.214-0.774-0.705値となりました。これは、データの選定によって、運転操作が変化した効果を、より明確に評価することができたためと考えられます。 図5では、ムダなアイドリングをやめたことによる効果(図の紫)と、それ以外の運転操作による効果(図のオレンジ)の割合も示しています。割合は参加者によって異なっており、燃費改善の要因は、必ずしも同じではないことが分かります。そこで、燃費改善の要因として、運転操作がどのように変化したのかを考察しました。 アイドリングでの燃料消費量を削減するためには、以下の3つの運転操作の変化が考えられます。ア.運転開始時、エンジンを起動してから直ぐに発進する。イ.運転中、信号待ちなどでエンジンを手動で停止する。ウ.運転終了時、目的地に到着したらすぐにエンジンを停止する。 それぞれのアイドリング時間の変化をみると、いずれの参加者も、運転中(イ.)のアイドリング時間に変化がなかったのに対して、3名の参加者(GV2、GV3、GV5)では運転開始時(ア.)の、1名の参加者(GV1)では運転終了時(ウ.)のアイドリング時間が削減され、燃費改善の要因となっていたことがわかりました。 アイドリング以外の要因としては、Web上で行った運転診断の指標とした「ふんわり発進」、「非急加減速」、「早めのアクセルオフ」の実施率の増加が考えられます。アイドリング以外の寄与が大きい2名の参加者(GV4、GV6)は、いずれの指標でも実施率が増加傾向にありました。 表1に、各指標の実施率と燃料消費量の相関係数を示します。「ふんわり発進」の実施率は、燃料消費量と正の相関関係があるものの、他の指標に比べて相関係数が小さく燃費改善の主要因ではなかったと考えられます。「早めのアクセルオフ」の実施率と燃料消費量には、GV4、GV6ともに強い正の相関関係があり、燃費改善の主要因になったと考えられます。また、GV6では、「非急加減速」も燃費改善の要因であったと考えられます。 エコドライブ社会実験の走行データを分析し、日常の豊田市内でのスマートドライブの実践によって、ガソリン消費量やCO2排出量が約15%削減されたこと、また、以下の方法(表2)が、効果的なスマートドライブの方法であったことを明らかにしました。 運転開始時、終了時のムダなアイドリングを控えることは、比較的実施しやすい方法であると思われます。また、速度を控えめにすること、前方をよく見ることは安全運転ともつながりが深いといえます。 今後は、環境と交通安全の両方の側面から、地域の方々、特に、交通安全に取組む事業所との連携によって、スマートドライブを広めていく仕組みづくりを目指していきたいと考えています。燃費改善の要因まとめ
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