まちと交通 1999年10月 2号
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特集にあたって 成長社会から成熟社会への転換期を迎えている今、交通の分野においても新たな課題への対応が求められています。それは多様な形で交通整備のあり方に見直しを迫ることになるでしょうが、そのひとつとして、まちづくりとの融合という視点の重要性が増していくでしょう。今回の特集では、特に交通計画を中心として、自分たちのまちとその交通のあり方について、従来のような行政と専門家だけでなく、住民、企業、商業者といった多様な市民が参加して、住民ひとりひとりの選択を尊重し、議論し合って、望ましい方向探るといったコミュニティからのアプローチ、「新たな交通まちづくり」をテーマとして、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。 「新たな交通まちづくりセミナー」は、去る平成11年1月27日(水)、中央大学駿河台記念館(東京都千代田区)にて、(財)豊田都市交通研究所の主催により開催しました。 本セミナーは、太田勝敏編著、当研究所監修により「新しい交通まちづくりの思想~コミュニティからのアプローチ~」(鹿島出版会,1998年)が出版されたことを記念して、開催したものです。 基調講演として、著者である東京大学教授太田勝敏氏による「新たな交通まちづくりへ向けて」、建設省道路局道路環境課大庭孝之氏、建設省都市局都市計画課本田武志氏による最近の国の動向、札幌市市民局交通環境対策部下村邦夫氏、鎌倉市企画部高橋保信氏による事例報告が行われました。 また、パネルディスカッションでは、コーディネーターに久保田尚氏(埼玉大学助教授)、パネリストに原田昇(東京大学教授)、青木英明(共立女子大学助教授)、望月真一((株)アトリエUDI都市設計研究所代表)、倉田直道(アーバン・ハウス都市建築研究所代表)の4氏を迎え、「住民参加と交通まちづくり」について、意見が交わされました。 ここに、基調講演、事例報告の一部をご紹介いたします。特集 新たな交通まちづくりセミナーまちと交通 第2号●目次■特集「新たな交通まちづくりセミナー」 基調講演 「新たな交通まちづくりへ向けて」 事例報告「札幌市の交通施策における継続的取り組み」     「鎌倉市における交通問題への取り組み」■通信「ブラジリア便り」■研究員レポート 「電気自動車共同利用システム『Crayon』の紹介 トヨタ自動車で社内運用実験 」 「都市における自転車利用 欧州ならびに日本の自転車利用」■寄稿「クルマ社会のカタチ」 ■ News■ Information(研究所からのご案内)

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