まちと交通　２００４年９月　１０号

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特集：ＩＴＳの取組みReportTTRI Letter №10　 26　この簡易デマンドシステムの導入効果について、特に敷地内への出入りの回数が多く、道路の渋滞が問題となる加茂病院について示したものが図５である。平日の朝夕を中心に通過回数が多くなっていることが分かる。また、図６、表１からは加茂病院を通過することにより、バスの運行遅れの解消に貢献していることが分かる。　利用者、事業者の簡易デマンドシステムへの評価を行ったものが図７、表２である。実際に呼び出しボタンを利用したことのある利用者は９割以上が、呼び出しボタンの設置を必要だと考えており、運行事業者も、導入による時間短縮効果とともに安全性の向上を評価している点が注目される。３．おわりに　玄関口バスのシステムは、バス利用者の快適な待ち空間確保と渋滞の発生する都市部での定時性確保を両立させるという意味で非常に有用なシステムであると考えられる。　他都市・地域での適用もふまえ今後も検討を進めていきたいと考えている。 「まもなくバスが来ます」⑤バス接近案内②呼び出しボタンを押す⑥バス停へ移動、乗降市役所③点灯呼び出し表示灯④表示灯を見て　玄関口へ進入表示機器乗客⑦ドア開閉で表示灯、接近案内クリアー①バスの位置発信「まもなくバスが来ます」⑤バス接近案内②呼び出しボタンを押す⑥バス停へ移動、乗降市役所③点灯呼び出し表示灯④表示灯を見て　玄関口へ進入表示機器乗客⑦ドア開閉で表示灯、接近案内クリアー①バスの位置発信図１ デマンドシステムの概要 図４　デマンドシステムの概要 0246810121416188時台9時台10時台11時台12時台13時台14時台15時台16時台17時台18時台平日休日加茂病院通過回数（回）図５　平日休日別時間帯別加茂病院通過発生回数0102030405060708008:10～08:2008:40～08:5009:10～09:2009:30～09:4009:50～10:0010:10～10:2010:40～10:5011:10～11:2011:30～11:4011:50～12:0012:10～12:2012:40～12:5013:10～13:2013:30～13:4013:50～14:0014:10～14:2014:40～14:5015:10～15:2015:30～15:4015:50～16:0016:10～16:2016:40～16:5017:10～17:2017:30～17:4017:50～18:0018:10～18:200246810121416182022乗降者人数加茂病院バス遅れ役所立寄有病院立寄無人数（分）図６　時間帯別乗降人数（総数・加茂病院）と上りバスの遅れ（3月9日（火））平 日 休 日 上り 下り 平均 上り 下り 平均 立 寄 時 9分 34秒 8分 59秒 9分 17秒 10分 4秒 9分 5秒 9分 39秒 通 過 時 8分 51秒 8分 29秒 8分 39秒 8分 38秒 8分 34秒 8分 35秒 時間短縮(秒) 43秒 30秒 38秒 86秒 31秒 64秒 表１　加茂病院立寄・通過時別の片道所要時間84.49.46.30%20%40%60%80%100%呼出ボタンは必要か？（N=32）必要まあ必要どちらでもよいまあ不要不要0.00.0図７　簡易デマンドシステム利用者の評価■デマンドシステムの効果について ・導入に関しては最高。無駄な走行がなくなり、合理的・効果的な運行が可能となった。 ・通過した場合、体感として２～３分の時間短縮効果があると感じている。 ・時間短縮により休憩時間も確実に確保できる。 ・乗車中の利用者にとっても、通過した場合の時間短縮のメリットがあると感じている。 ■安全性の向上について ・通過時には、施設出入りに伴う歩行者との交錯に伴う危険ポイントを回避することができるという面からも安全性は向上したと感じている。 ・歩行者・自動車交通が多い中心市街地内での安全性の確保は重要な問題であり、簡易デマンドシステムの有用性は高い。 表２　運行事業者の簡易デマンドシステム導入への評価