まちと交通 2004年9月 10号
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特集:ITSの取組みTTRI Letter №10 24Report(4)ITS施策とITSサービスの体系化 システムアーキテクチャーを再構築するため、社会的ニーズからのアプローチで導いたITS施策(10タイプの34施策)と技術開発からのアプローチでまとめられたITSサービス(9つの開発分野、21の利用者サービス、56の個別利用者サービス、172のサブサービス)をマトリックス表としてまとめた。マトリックス表は、ITS施策とITSサービスで構成されているが、ここで、両方の仲介役となる情報について考えてみたい。ITSサービスでは、地点、経路、移動路、計画、運営主体、外部機関という情報群で整理されている一方で、ITS施策に関係する情報について考察すると、施策評価でも頻繁に使われる交通行動のモデリングにおける概念(時間、目的地、経路、費用、頻度、交通手段等)が適用できることが分かった。そこで、両方に適合する情報を再整理して、7つの情報群(①地点、②経路、③距離、④交通手段、⑤時間・スケジュール、⑥費用、⑦その他)とし、このマトリックス表に位置付けることで、体系化した。ITS施策とITSサービスの体系化の一例を、図表4に示す。ただし、○番号は7つの情報群を示すと同時に、施策評価(アウトカム)指標にもなっている。 従来のITSアーキテクチャーがITSサービス(図表4の縦軸)のみの体系を提示して、施策との関係が不明確であったため、施策の企画・立案者にとっては、分かりにくい内容であった。しかし、図表4の体系化されたマトリックス表が示す通りに、ITSサービス、ITS施策、それらを結びつける7つの情報群が一覧できることで、サービスと施策との結びつきが容易に理解できるようになり、ITSに関する施策の企画立案者にとって、重要な評価指標も含んだ施策の検討資料となる。 3.今後の展開 本稿は、本年10月に開催される第11回ITS世界会議愛知・名古屋2004の中でのインターラクティブセッシヨンにて発表予定であるが、その場での質疑及び討議内容を盛り込みながら、さらに研究を発展させたい。 図表3 ITS施策図表4 ITS施策とITSサービスの体系化

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