交通まちづくりとともに
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862章  挑戦期 1995-2003( 平成7年 〜15年 )「交通安全学習センター」設置に向け基礎調査を実施 研究活動の成果が、施設という形になって残っているものの一つに「豊田市交通安全学習センター」の設置に向けた基礎調査がある。豊田市から受託を受けたこの事業は、体験型交通安全教育施設における、教育カリキュラム作成のための前段として、教育体系・教育内容・教育方法等を検討するというもので、平成13年(2001)にスタートした。豊田都市交通研究所は、センター設置に向けた委託業務を3年にわたり継続した。 同センターの設置が検討された背景には、当時の豊田市の交通事故事情がある。豊田市における交通事故による死亡者数は昭和55年(1980)には一旦減少したものの、以降は増加に転じ、平成3年(1991)から10年間のうち、愛知県下各市の交通事故死亡者数においてワースト1が7回という不名誉な状態が続いていた。これまでにも事故分析や安全対策を講じてはいたが、その状況を変えるまでには至っていなかった。 そこで着目されたのが「教育」である。豊田市では、小学4年生までの児童を対象に、交通公園を利用した体験型の交通安全教育を実施してはいたが、運転免許を取得したドライバーが、免許取得後に体験型の教育を受ける機会がほとんど無いのが実情だった。そこで、研究所は大人も

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