交通まちづくりとともに
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802章  挑戦期 1995-2003( 平成7年 〜15年 )3 未来へつながる代表的研究他地区からも注目された公共交通「コミュニティバス」の研究 このころになると住民参加による社会実験や実践的な研究はさらに幅広いものとなっていたが、豊田都市交通研究所で特に注力していたのが、地方都市の公共交通に関する内容だ。とりわけ高齢化の進展等の社会構造の変化を背景に、住民のモビリティ確保という交通課題は全国でも重要視されていた。なかでも衰退を続ける路線バスの在り方が問われるとともに、自治体によるコミュニティバスの運営が注目されていた。 研究所ではコミュニティバスのような地元密着の施策は、画一的な尺度で測った便益値を示すだけでは適切ではなく、いかなる政策方針のもとで検討が行われ、施策実施に至ったかを細かく明示することが重要であり、そうしたプロセスこそが住民の思いに沿ったモビリティ確保になると考察していた。 平成8年(1996)に三好町(現・みよし市)より受託していた三好町福祉交通システムの

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