2章 挑戦期 1995-2003( 平成7年 〜15年 )75交通事故データ分析の定着 当時行われていた「交通安全推進モデル地区基礎調査」などにかかわる交通事故のデータ分析は、豊田都市交通研究所における重要な研究テーマ自体にもつながり、調査研究は現在に至っている。その、本格的なデータベースづくりが定着したのがこのころだ。当時は、事故一件一件を手書きで地図にデータを落とし込むというアナログな手法が採られていたが、研究所ではそれらの情報を、さらに一つのデータベースにまとめるという地道な作業を行っていた。現在、こうしてまとめられた情報は、コンピュータの地図上で可視化できるGIS(Geographic Information System/地理情報システム)となり、さまざまな場面で活用されている。初の本格的自主研究、アクティビティダイヤリー調査 この時代に特筆すべき研究のひとつに、人の生活・交通行動を詳細に記録するアクティビティダイヤリー調査が挙げられる。これは、豊田都市交通研究所がプロジェクトチームを組み、調査・研究をし、論文発表にまで至った初めての自主研究である。 平成7年(1995)5月、トヨタ自動車は、これまで昼夜二交替制だった勤務体制を、連続二交代制に変更することが知らされた。昼夜二交代制とはいわゆる昼勤(8時~17時)と夜
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