2章 挑戦期 1995-2003( 平成7年 〜15年 )73プロパー研究員の充実 受託事業が順調に増加し運営も安定してきた豊田都市交通研究所であったが、その組織をより強化するため、プロパー研究員の増員が検討されたのがこのころだ。プロパー研究員としてはすでに山崎基浩が在籍していたが、その他の研究員は豊田市役所からの派遣やトヨタ自動車からの出向というかたちだった。もちろん当時の派遣、出向者らは研究員として研究所を十二分に支えており、市役所から派遣されていた増岡義弘(現・みよし市市議会議員)や田口厚志(後に事務局長として再派遣、現・豊田加茂環境整備公社専務理事)らは受託業務のみならず自主研究にも取り組んで成果をあげている。 そんななか、研究員としてのプロパー第2号として採用されたのが、福井大学大学院博士後期課程で学び博士の学位を取得し平成10年(1998)に入所した川本義海(現・福井大学大学院教授)だ。プロパー研究員の採用は、研究所のシンクタンク機能が充実するだけでなく、大学とのつながりが強化されるというメリットもあった。平成12年(2000)12月に川本は退所したが、翌年7月には、東京大学都市工学科で助手を務めていた橋本成仁(現・岡山大学教授)が主任研究員として入所している。橋本は地区交通計画分野の自主研究に携わっており、交通工学研究会とのコネクションを深めるとともに、その後の研究所における交通安全分野の研究に多大な
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