交通まちづくりとともに
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702章  挑戦期 1995-2003( 平成7年 〜15年 )ITS(Intelligent Transport Systems/高度道路交通システム)導入に関する基礎研究だ。ITSとは、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報でネットワークすることで、交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システムを指す。 この当時、ITSは世界的にも注目度が高く、平成8年(1996)にはトヨタ自動車においてITS企画部(2018年6月にITS・コネクティッド統括部とMaaS事業部に再編)が設置されたほか、道路交通情報提供の一環としてVICS(Vehicle Information and Communication System/道路交通情報通信システム)も開始されている。 こうしたITSに対する動きは省庁内でも見られ、ちょうどこのころ、警察、通商産業(現・経済産業省)、運輸(現・国土交通省)、郵政(現・総務省、郵政事業庁)、建設(現・国土交通省)の関係5省庁により「高度道路交通システム(ITS)推進に関する全体構想」が策定され、ITSを普及し地域に定着させるためのモデル実験への取り組みが検討されていた。このような実験は、米国、欧州ではすでに行われており、日本においても地域の事情に即したITSの早期導入が必要だと考えられていた。 そこで5省庁では「高度道路交通システム(ITS)モデル地区実験構想フィージビリティスタディ委員会」を立ち上げ、平成10年(1998)5月よりモデル地区実験を行う候補地を日本

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