1章 黎明期 1991-1994( 平成3年 〜6年 )59学会という場へ研究成果は「都市交通レポート」として発表 平成6年(1994)、豊田都市交通研究所は、日本都市計画学会や土木学会など、学会への論文投稿により成果を発信しはじめ、学会の研究発表会にも研究員らが積極的に参加するようになる。論文投稿は、先に紹介したボンエルフ実験の「住宅地における歩車共存型駐車場の有効性と設計に関する実験的研究」など、平成6年度の一年間において4本となっている。 また、その研究成果の集大成として「都市交通レポート」を発行した。研究所の研究員による個別の研究の積み重ねが読みものとして記載されたこのレポートは、平成3年(1991)11月の創刊から平成9年(1997)まで7回にわたり発行された。 行政と民間が力を合わせ「都市交通」に関する調査・研究を「実践的」に行うユニークな研究機関としてスタートした研究所だが、このレポートの発行には、実践的な研究を一つの冊子にまとめて世に発表することで、安全で円滑な地方都市交通の在り方を世に広く提言したいという思いがあった。 創刊にあたっては、東京大学工学部教授の越正毅氏のほか、愛知県豊田土木事務所、豊田市社会部安全対策課、日本道路公団豊田管理事務所、トヨタ自動車広報部交通環境グループ、株式会
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