561章 黎明期 1991-1994( 平成3年 〜6年 )周辺で開催される催事を想定した「文化ゾーン」の1・5キロメートル区間を走行した。 実験はより多くの市民への告知を目的に、広報誌や社内報に加え、新聞、テレビ、地元CATVによる報道、ポスター、チラシなども駆使して大々的に行われた。この結果、実験期間中に短距離交通バス「ザウルス」を利用したのは、延べ2万4千人にものぼった。またアンケートによる調査なども同時に行い、実際の利用者からは「運賃を払っても良いので続けて欲しい」という意見が多く聞かれたほか、望ましい運行条件や車両が明確になった。 この実験によって、都心の活性化を図るための交通の在り方を検討するだけでなく、休日を中心として発生する都心部の渋滞緩和対策の必要性が浮き彫りとなった。さらには、車に依存しすぎない、ゆとりある住みよいまちづくりのために交通はどうあるべきか、一石を投じた交通実験となったと言えよう。 また、ザウルスと同時にTDM施策の一つとして、郊外の鉄道駅のパークアンドライド用駐車場を用意し、自動車と鉄道、さらに短距離交通システムとの3つの組み合わせによる可能性も実験していることを記しておく。 実験から8年後の平成14年(2002)6月からは、豊田市駅西口から豊田税務署までの約2・0キロメートルを、1時間に2~3往復の頻度で運行する「中心市街地玄関口バス」の運行が開
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