481章 黎明期 1991-1994( 平成3年 〜6年 )(1994)10月)、休日イベントパークアンドライド実験(平成6年(1994)11月)、トヨタ自動車本社地区鉄道通勤への転換実験(平成7年(1995)3月)、都心部における通勤方法転換実験(平成7年(1995)11月)の4つである。これら4つの社会実験による多角的な検証は、その後の豊田市の「交通まちづくり」施策の原点ともなっているが、特徴と言えるのは、TDM施策が社会実験を基軸にした展開であることだ。さらに特記すべきは、実験の規模の大きさである。平成7年(1995)に行われた「都心部における通勤方法転換実験(通勤手段の変更と時差出勤)」では、35もの事業所(官公庁、民間が半々)の協力を得て実施され、実に1200名が参加して展開された。参加者の確保にあたっては、豊田都市交通研究所の研究員が豊田市役所の担当職員とともに事業所を個別訪問し、社会実験への協力を要請した。この地道な調整活動の結果、多くの事業所の参加を得て大規模な実験は実現した。これは社会実験の認知度が低かった当時ならではのエピソードだ。ちなみに、実験から4年後に建設省から社会実験への支援が制度化されたことからも、当時の豊田市の取り組みがいかに先進的だったかが推測できる。 研究所は、これらTDMの展開に社会実験を基軸としながら実践的組織としての役割を果たした。こうした施策は意義のあることとして評価され、新渋滞調査の予定期間(3年)後も同様のスキームで継続された。
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