交通まちづくりとともに
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175電動化)やMaaS(サービスとしてのモビリティ)の時代をもたらした。自動車メーカーのみならずIT企業が参入し、互いに提携し競合しながら次々と新機能、新商品を生み出しつつある。こうした技術的成果をいかに社会実装していくかが新たな課題となっている。 さらには令和2年(2020)、新型コロナウイルスが世界中に広まり、翌年初には感染者が1億人を超えるパンデミック時代が到来した。外出自粛やロックダウンなどにより人流が極端に制限され、厳格な公衆衛生ルールが守られ、リモートによる勤務や学習が推奨されるニューノーマルな社会が突然出現した。世界各国ではすでにワクチンが開発され、優先順位に従った接種が始まり、その有効性に大きな期待が持たれている。しかしまた新たなパンデミックが襲来しない保証はない。人や物の移動を前提とした「交通まちづくり」の研究に邁進してきた研究所にとって、挑戦的な課題がまた一つ増えることになった。 交通は人間の基本的活動である。今後ますます都市交通を取り巻く環境は急速かつ多様に変化するだろう。その時流のなかで人々の幸福につながる社会的ニーズを的確に捉え、先駆的な研究にチャレンジし、「サステイナブルなモビリティ社会の実現」のために新たな課題発見と大胆な政策提言ができるユニークなシンクタンクとして、豊田都市交通研究所は次の30年もたゆまず成長していくことだろう。

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