1644章 伸張期 2013-( 平成25年 〜 )前倒しされた、新中期ビジョンの策定と都市計画 多くの参加者を迎え、盛会となった25周年記念研究成果報告会・講演会であったが、会は研究成果を幅広く知らしめるための発表の場になっただけでなく、あらゆる視点から研究所への期待を聞くことができ、収穫の多いものになった。 これを踏まえ、研究所では程なくして、理事長、所長はもちろん、産官学のメンバーを交えて研究所の向かうべき姿について議論する場を設けた。それが平成28年(2016)11月に行われた「都交研※のあり方討論会議」である。※豊田都市交通研究所の略称 超高齢化社会の到来や、自動運転に代表される技術革新の急速な進展を背景に、研究所や交通まちづくりを取り巻く環境は、ここ10年ほどでさらに大きく変化した。それだけでなく、モノのインターネットと言われるIoT技術の進化や、2015年に採択となった脱炭素社会をめざすパリ協定、17の持続可能な開発目標が掲げられたSDGsなどによって、企業に求められるものや価値観も変わらざるを得ない時代となった。それに加えて、超低金利が続き、厳しい経営環境が続くことも予測されていた。 討論会議では、活発に意見が交換され、重要項目として次の3点が挙がった。●財政状況に縛られず、大胆な研究成果を発信すること。
元のページ ../index.html#169