交通まちづくりとともに
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4章  伸張期 2013-( 平成25年 〜 )161のマザー都市として位置づけていきたい。また、こうした最先端技術の実用化を進めるパートナーとして研究所にも協力をお願いしたい」と、トヨタ自動車、豊田市、豊田都市交通研究所の三位一体で、未来をめざすかたちが語られた。 このほかディスカッションのなかで太田勝敏は、「開所当時、交通モデル都市の推進は、官民協力のもとで社会実験の推進や実践的研究が不可欠であったが、研究所が行った実証実験などを通して、社会実験が世間的にも認知されるようになった。また社会実験に対して正面から議論されたという意味でも、豊田市は先駆的な役割を担ってきたと感じる」と開所当時を振り返った。さらに「研究所から巣立った研究員が大学教授になるなど各方面で活躍しており、こうした人材育成の一端を担う機能は今後も継承していきたい」とも語っている。 会の最後には、東京大学大学院教授・原田昇氏より「活力ある高齢社会や、都心のにぎわいのあるまちづくりに貢献するための、『交通まちづくり思想』を研究所は進めてきた。しかし、今後はさらに時代のニーズに合わせた改革とともに豊田都市交通研究所らしさを活かしていく必要がある。今回の25周年を記念するこの会では、未来をめざす、意味のある議論ができた」と感想が述べられた。 研究所の設立から25年が経過し、社会、技術などは大きく変容した。それとともに、研究所に

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