交通まちづくりとともに
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1564章  伸張期 2013-( 平成25年 〜 )解釈である。たとえばアンケートの答えに、危険に感じた原因として「子どもが飛び出した」「自動車とぶつかりそうになった」などと書かれていても、それが本当に危ないものなのか、事故になったとしても軽微で済む程度のものだったかまでを判断するのは非常に難しい。 そこで研究所では、ヒヤリハットにおける研究のテーマを、「ヒヤリハットアンケートの結果を客観的に解釈するための手法づくり」として設定し、さらに研究の目的を「アンケートの調査結果から、事故危険地点を確実に抽出するための手法を確立すること」とした。 また研究所は、リスクアセスメント(リスクの評価)という考え方にも着目。アンケートの答えを、「事故発生の可能性」と「事故の重篤度(事故になった場合の重大性)」という2点のリスクから分析し、解釈することとした。 この研究でアンケート調査の対象となったのは、豊田市とみよし市に4つの事業所を展開する小島プレス工業株式会社だ。アンケートには全従業員約1600人の皆さんにご協力いただき、1454部を回収した。さらに、アンケートの答えで、危険だと感じた地点が公道上で特定できた1283部のデータを使用して分析が進められた。 分析はまず、アンケートに寄せられたヒヤリハット地点を地図上にプロットしたうえで、その地点を「事故発生の可能性」が「高い・可能性がある・ほとんどない」の3段階に分類して把握。

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