4章 伸張期 2013-( 平成25年 〜 )155者モビリティについて自主研究を行ってきた。その後も「豊田市における高齢運転者による交通事故の特性分析」などをはじめ、交通諸問題の解決に向けた研究を積極的に推進している。 また地方都市の交通問題を考えるとき、豊田市における研究には大きな意義がある。それは、都市部から中山間部まで広大かつそれぞれに特徴のある市域をもつ豊田市は日本の縮図とも言われ、豊田市における研究は、サンプルとして有用だと考えられるからだ。これは高齢者に関する交通問題の研究においても同様であり、今後の道路交通問題解決の一助になると考えられている。研究の進化~根拠あるヒヤリハットマップへ~ かつて交通事故は、事故が起きた地点に対する事後対策というかたちで行われてきたが、現代で求められているのは、事故を未然に防ぐ予防対策だ。研究所では平成18年(2006)から、豊田市内の「ヒヤリハットマップ」の制作を進め、歩行者・車の両面から交通上で「ヒヤリ」とする地点をアンケートで調査し、小学校区別にヒヤリとする場所を地図上に見やすくまとめて公表してきた。それは交通事故低減に一定の効果を表していたが、課題を改善しさらに進化させるため、「ヒヤリハット調査にもとづく交通事故危険地点の把握」をスタートさせた。 これまでのヒヤリハットマップの制作上、課題の一つとなっていたのがアンケートの客観的な
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