交通まちづくりとともに
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1544章  伸張期 2013-( 平成25年 〜 )高齢者の交通問題の解決に向けて 超高齢化社会が進むにつれ顕在化してきたものの一つに高齢者に起因する交通問題があるが、研究所にとっても、地方都市における高齢者の交通諸問題は、研究テーマとしての重要性を年々高めていた。実際、近年に行われた調査・研究テーマを見返しても、「高齢運転者の増加を考慮した安全・安心なモビリティ実現を目指した研究」や「高齢運転者を対象とした後付け型ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転支援システム)」など、高齢者を対象としたものが数多く見受けられ、その重要性を物語っている。 このほかの研究テーマでも、背景として高齢者問題がかかわっているものが多く見られ、先に紹介した鞍ケ池地域タクシーも、高齢者のモビリティを確保するための研究とも言える。   さらに、トヨタ自動車からの業務委託で、高齢者の交通事故減少を目的とした新技術の社会実装に向けたフィールド実験なども行っている。  高齢者の交通問題に関する研究推進に期待が寄せられる背景には、平成29年(2017)の改正道路交通法による高齢者講習制度の改正や、全年齢層の事故件数の減少に対して65歳以上の高齢者の事故割合が増大などもある。 研究所では平成26年(2014) 年から、移動制約が大きい豊田市の中山間地域における高齢

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