4章 伸張期 2013-( 平成25年 〜 )151市民生活に身近な実証実験開始 こうして一つひとつの問題をクリアしながら着実に実証実験に向けた準備が進められ、ついに平成30年度の1年間で「鞍ケ池地域タクシー」の実施が決定。実証実験では主な目的として、①利用が少なく運行が非効率なコミュニティバスに替えた一般タクシー利用に、運賃補助制度を 導入する方策の有効性はあるのか。②豊田市の地域バスを対象に、タクシー運賃を補助する仕組みへ移行した場合、 ドアツードアで の利便性向上、適用可能な地域や仕組み、自治体の経費節減効果があるのか。以上2点が具体的に検討された。 同年3月の「鞍ケ池地域タクシー」運行開始日にはマスコミの取材も入るほどで、新たな地域モビリティ確保の手法が注目された。 地元住民からは実証実験を歓迎する声が多く、タクシー利用に必要な登録が始まると、ほとんどの世帯から登録の申し込みがあり、地元の人々の関心と期待の高さをうかがうことができた。 こうして1年の実証期間が経過。その後、利用者数やコスト計算が行われたが、利用者数は従来のバスと比較して29パーセント増、経費に関しては86パーセントが削減されるという結果が表れた。また利用者へのヒアリング調査では、「ドアツードアで大変便利だった」「生活の足として
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