交通まちづくりとともに
153/202

1484章  伸張期 2013-( 平成25年 〜 ) 同年に入所した主任研究員の福本雅之は地域公共交通の研究に造詣が深く、バス研究の第一人者として知られる名古屋大学准教授(現・教授)の加藤博和氏の元で学んでおり、国土交通省中部運輸局や周辺市町村とのつながりももっていた。そこで、福本より2年早く入所していた主任研究員の加藤秀樹とともに、同研究を進めることになった。 近年、公共交通が不便な地域にはコミュニティバスなどのデマンド交通が導入され、地域住民への交通サービスというかたちで提供されている。しかし、利用者数とコストのバランスがとれず、見直しが行われる例が多いという実情があった。さらには、バス運転手の人材確保の難しさも問題の一つとなっていた。こうした課題に対応する一つの方策として注目されつつあったのが、一般タクシーを活用した地域公共交通の確保という考え方だ。 豊田市には旧町村地域などを中心に、公共交通の利便性が悪くモビリティが著しく低いエリアがいくつか存在しており、乗り合いバスとタクシーを置き換えるという効率的運用手法の導入でモビリティの改善をめざした。 自主研究ではまず、豊田市内のタクシー協会と連携して研究会を設置したほか、すでにタクシーを地域の公共交通として活用していた93事例を全国から集め、法律上の位置づけや契約方法、運賃体系、運行曜日・範囲、乗降場所、支払い方法、利用者登録や利用者限定の有無などを整理し

元のページ  ../index.html#153

このブックを見る