交通まちづくりとともに
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COLUMN1323章  自立期 2004-2012( 平成16年 〜24年 )グとして公表することが計画された。その背景には、所長の太田による「地方都市の交通に関するベンチマーク指標を研究し、交通まちづくりに活かしたい」という思いがあった。 研究は計画に基づいて全国35都市から基礎データを収集して進められ、地方都市の交通状況を総合評価する指標の算出が試みられた。しかし実際にデータを収集してみると、都市によって保持するデータ量に大きな差があるうえ、市町村合併などによってエリアが過疎部まで拡大し評価基準が大きく変化した都市も多く、データの算出に難航した。試行錯誤しながら研究は続いたが、外部に向けた研究発表には至らず、所内の研究報告会で詳細が報告されるに留まった。 こうして研究を一旦打ち切った「都市交通力」の調査であるが、「都市交通力」の研究は、「交通モデル都市」としての評価、ひいては市民の活動参加力や生活の質の評価にもつながると考えられ、いまも研究結果に期待する声が多く寄せられている。 このように、その時点では日の目を見ることができなかった研究もあるが、それらのデータベースは研究所に蓄積されるとともに数年ごとに見直しが行われ、ほかの研究のデータベースとしても利用されている。

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