交通まちづくりとともに
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1143章  自立期 2004-2012( 平成16年 〜24年 )ISAやDSDSによる「面的速度マネジメント」研究 豊田都市交通研究所が自主的に進めた研究のなかでも、スタート当時から画期的な取り組みとして話題になったものがある。それが「ISA」や「DSDS」における自動車の走行速度マネジメントの研究だ。 一連の研究に取り組むきっかけとなったのは、所長であった太田が、交通工学研究会において、研究代表者として「速度マネジメント研究会」を設立したことにある。これを受け研究所では、平成21年(2009)より交通工学研究会との連携で、自主研究のテーマとして面的速度マネジメントの実現に向けた研究に着手することになった。背景として、当時欧州ではすでに生活道路における歩行者や自転車の交通安全対策の一つとして、生活道路(ゾーン内)での30キロ規制を行う「ゾーン30」が導入されていたが、太田らの研究チームの提言により、日本でも導入が検討されはじめていたことがあった。そのゾーン30の実効性を高めるための方法として、車内からアプローチするISAと、道路側からアプローチするDSDSがあった。 ISA(Intelligent Speed Adaptation) は、生活道路における車両速度の制御を意味しており、走行中の道路の最高速度規制に基づき、GPS機能を利用して速度超過をドライバーに警告したり、規制速度を超えないよう車両側で速度制御支援を行って、運転手に速度の制御を促す。

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