3章 自立期 2004-2012( 平成16年 〜24年 )111研究のアウトプットと、調査事業の拡大と 安藤良輔が研究主席として着任してからは、研究成果報告などのアウトプットを積極的に行うようになり、以前にも増して研究所の存在を広く示すことに尽力するようになった。またそれは研究内容や調査事業の急速な拡大にもつながった。安藤には「研究機関である限り、研究の経緯や成果をしっかりまとめ、内外に示す必要がある」という強い想いがあったが、それを次々と具現化していったのである。 平成17年(2005)から始まった研究成果報告会もアウトプット活動の一つだ。先述した平成18年(2006)の15周年記念講演会研究発表会は、その集大成の拡大版とも言えるが、アウトプットの1回目となったのが平成17年の成果報告会だった。 報告会は現在に至るまで毎年1回、事業プログラムとして組み込まれ、その年に即したテーマに沿って開催されている。報告会には豊田市やトヨタ自動車、研究者などの専門家、交通関係者らが参加するほか、市民の参加も歓迎しており、過去の市民セミナーなど参加者らのなかには毎年継続して出席する市民の姿も。だれもが参加することができる報告会は開かれた研究所のイメージにもつながっている。 また、プロパー研究員の増強もなされ、市民参画分野の経験を持つ田中智麻(現・株式会社シー
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