983章 自立期 2004-2012( 平成16年 〜24年 ) ITSに特化した唯一の世界会議ということもあり、以前より専門家からの関心が寄せられていたが、第11回目の会議はそれまで以上に注目されていた。と言うのも、第10回会議までは専門家のための会議として、参加者の多くが研究者や関連する専門家であったが、第11回会議からは人・クルマ・環境が共存する安全で快適な車社会実現に向けて「市民参加」というコンセプトが新たに打ち出され、市民・企業・社会の一体感が、会議における重要な柱の一つとして据えられたからだ。 会議は平成16年(2006)10月18日~24日に、名古屋市の「ポートメッセなごや」で開催されたが、会議登録者が過去最高の5794名に達する盛会となった。さらに、展示会への来場者は5万人を突破し、まさに「市民参加」のコンセプトを実現する会議となった。 会議は「安全」「環境」「快適・利便」の3つの主題で構成されていたが、論文を聴衆に説明してその場で討論するインタラクティブセッションや、ITSの社会的役割を一般の人に理解してもらうITSワールドを設けたことでより理解しやすいものとなり、各方面から好評を得た。また産官学連携の観点においても20大学50研究室という同会議史上最大の規模となる研究機関が参加し、実績を残した。 研究所としても、会議での発表及びITSワールドにおける豊田市ブースの出展サポートを通
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